南軍将軍のこと
どうやら、僕はあのころのアメリカ文学から漂ってくるあの感じが好きらしい、ということを改めて思った。
あのころというのは1950年代~1960年代のことだ。
遠い国の夢のような世界。
憧れと嫌悪が同居しているような矛盾した思いを抱かせる。
もしもそのころに生きていたとしても、
きっとマジョリティの人々とは仲良くはなれなかっただろうな、とも思う。
クルーカットのスクエア(スポルツメン)でも夏草の蔦が絡みついたようなヘアースタイルのヒッピーでもなく。
だけど、あのころの匂いが好きだ。
可能性と広がり。
一瞬と永遠。
ブローティガンのこの作品、
そういう匂いがしてくる。
- ビッグ・サーの南軍将軍 (河出文庫)/リチャード ブローティガン
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このジャケが素敵だ。
ところどころ途切れたようなフォント。
スタンド・バイ・ミーで悪ガキがオープンカーに乗りながらバットで根こそぎ殴り倒していた、銀のデカいポスト。
胡散臭い服装で顔と不釣合いな体型のかっこつけている、作者のブローティガン。
正気と狂気が同居した世界。
もしくは、最後の正気の時代だったのかもしれないけど。
それとも狂気の時代の始まり?
狂気の世界から抜け出して、
友達と騒いで、バカみたいに笑った次の日には涙をながし、
その次の日には遠くに旅立つ。
旅先ではやけに崇高なことを考えたり、話したり。
そんなときがあったけれど、そろそろいつもの道に最後は帰らなければと最後には思う。
それを思い出させてくれる。
アメリカの最果ての地での寂しいような、楽しいような、そういう話。