ヒッチハイク
初めてヒッチハイクをしたのは南半球の遠い南の島だった。
前の晩に辺鄙な所にある小さな村で村長の持ち家みたいな所に泊まった。
夜にハチに刺され、足が痛痒かった。
その日は日曜日。
厳格なキリスト教国のこの島はお店や交通機関は休みが多い。
村の入り口でバスをまっていると、
その村の青年がきて、一緒に首都行きのバスをまった。
しかし、その日唯一のバスは僕たちに気づかず行ってしまった。
今は名前を忘れてしまったその青年と僕は仕方なく、
首都までヒッチハイクで行くことにした。
いかんせん、辺鄙な村で車は30分に一台通るか通らないかのキワキワの状態。
35度を越す炎天下、
周りは熱帯雨林、
水もなく、
僕とそいつは脱水症状気味で途方に暮れていた。
結局5時間後にやっと一台のピックアップのトラックが止まってくれた。
助手席は荷物が載っているから荷台に乗れと言われる。
もちろん言われなくてもそのつもりだった。
そのトラックの荷台で二人は勝利を喜びあい、
肩を組んで車にゆられ、
ビンのコーラをマーケットで買って乾きを潤した。
5時間の苦難は忘れ去られ、
コーラのビンは道に投げ捨てられた。
旅では最高と最低の状態が一緒にやってくる。
その状態の時が来ると、
今、生きているということを実感する。
やっぱり、行動の中に生命が宿るのだ。