綾辻行人の『奇面館の殺人』です。



あぁ、まぁ、館シリーズらしい・・・、らしいですねぇ(笑)。



奇面館の殺人 (講談社ノベルス)
綾辻 行人
講談社
売り上げランキング: 5004



内容(「BOOK」データベースより)
奇面館主人・影山逸史に招かれた六人の男たち。館に伝わる奇妙な仮面で全員が“顔”を隠すなか、妖しく揺らめく“もう一人の自分”の影…。季節外れの吹雪で館が孤立したとき、“奇面の間”に転がった凄惨な死体は何を語る?前代未聞の異様な状況下、名探偵・鹿谷門実が圧巻の推理を展開する。名手・綾辻行人が技巧の限りを尽くして放つ「館」シリーズ、直球勝負の書き下ろし最新作。


























綾辻行人の館シリーズの第9作目です。作者が公言しているとおり全10作のシリーズらしいのでラス前、というやつですね。


読む前からなんとなく、本の厚さや装丁の雰囲気・館内見取り図から、「これ、迷路館っぽいなぁ」と思ってしまいました。


内容としては探偵役の鹿谷門実がひょんなことから、奇面館という陸の孤島で行なわれるパーティーに出席し、そこで殺人が起こるというものです。


まぁ館シリーズ特有の、クローズドサークルでしたし(また雪で館内から出られなくなりました、笑)、あとはおなじみのアレとかアレとかも??

みたいな感じですが(ネタバレ無しだとこんな言い方しかできない)



まぁとりあえず僕の感想を言ってしまうと






















ちっちゃ!!!!




って感じですかね。


何って、話のスケール、ですよ。


今までの館シリーズで一番小さくまとまった話なんじゃないでしょうかねぇ。


館シリーズの特徴としては、館の呪いというか魔力みたいなものがあってそれが与えるちょっとしたホラー感みたいなものとか、もしかしたら全員殺されてしまうんじゃないか、みたいな恐怖感みたいなものもあって、それが著に現れたのが時計館や暗黒館だったと思うんですが、そういう感じも特になかったですし、


なんていうか、事件解決に至る道も、「あ~、なんか上手い感じに片付くんでしょ?」みたいな気持ちで読んでしまったような気もします。


すべてが明らかになったその時も「あ~、そうだったんだ~(棒読み)」みたいな感じでした。「それで?」みたいな(笑)。



一応、自分で解くようなつもりで読んでもいたんですけどね。ただこれってどこまでフェアだったのかなぁという疑問もありますし・・・。





節々もやっぱり迷路館っぽくて、首切りの論理みたいなものもあったりなんかして、あとがきを読んだらやっぱり作者も迷路館を意識していたよう。。。


館シリーズは相変わらず、読むほどに胸が躍るシリーズではありますが、ちょっと小振りだったかなぁ。

というわけで評価としては


他の作家の本としてはとても素晴らしい作品だが、綾辻行人の館シリーズとしては凡作。





って感じですかね。


ま、河南君も出てないですしね。


ラストは河南君が見えない殺人犯に追われて、ホラーチックなことも起こって絶体絶命、ってところを鹿谷さんが助けにくる、みたいなそんなストーリーに期待しちゃいます(笑)!!


どうでもいいですけど、館シリーズ内で「云わぬが花」という言葉が出てくると萌えますね(笑)!



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