有栖川有栖の『幽霊刑事(デカ)』です。










有栖川有栖の唯一(?)の恋愛ものミステリ!!!






幽霊刑事 (講談社文庫)
有栖川 有栖
講談社
売り上げランキング: 100419



内容(「BOOK」データベースより)
俺は神崎達也。職業、刑事。美人のフィアンセを残して無念にも射殺された…はずが幽霊に!?しかも犯人の上司が密室状況で何者かに殺されて…。いったい真犯人は誰なんだ!そして俺はどうなってしまうんだ!ミステリーとラブストーリーが融合、二〇〇一年度本格ミステリー・ベスト10入りの傑作。






















いや、唯一かどうかは知らないんですけどね、まだ全作品を読破したわけではないので(笑)。


今作の犯人は、主人公の直属の上司です!!!!!!


ネタバレすみません。


いえいえ、冗談です。この物語はここから始まります。


主人公の刑事が直属の上司に殺されて幽霊になります。今作は、主人公が「なぜ自分は殺されなくてはならなかったのか」の真実を探るための物語です。


SFの設定を組み込んだ今作は割と幽霊モノの中では真摯な設定であり、幽霊らしい幽霊です。誰かに話しかけても聞こえませんし、モノに触れたりすることもできません。唯一話しかけられるのが、イタコの血をひく後輩刑事だけです。


幽霊らしい捜査をしていく一方で、真実になかなかたどり着けないもどかしさだったり、恋人であり同僚でもある女刑事が自身の弔いのために危険な捜査に及ぶのを止められないもどかしさだったり、そんなものがありまして、ラストは幽霊モノのお決まりのオチで終わります。




分かってはいても泣けちゃうのが恋愛モノですよね!!!!!



という作品です←




いや、恋愛ものとして見なくても、ミステリとしても有栖川有栖作品として他と遜色ない名作なんですよ。それに恋愛要素を混ぜてきて、もうボリュームがマックスなんですよ。地味ながら有栖川有栖の傑作の中の末席ぐらいは与えられてもよさそうに思えます。



ラストシーンが完璧!!ロマンチック!!


で、最後の余白も良かったーー!!




有栖川有栖はミステリ一本だと思ってたのでこういう作品も書けるんだなぁと唸らされた一作ではありました。






この能力をぜひ学生アリスシリーズに・・・!!!!!!!





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