平山夢明の『独白するユニバーサル横メルカトル』です。




吹いたwwwwwwww




独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫)
平山 夢明
光文社
売り上げランキング: 115799



内容(「BOOK」データベースより)
タクシー運転手である主人に長年仕えた一冊の道路地図帖。彼が語る、主人とその息子のおぞましい所行を端正な文体で綴り、日本推理作家協会賞を受賞した表題作。学校でいじめられ、家庭では義父の暴力に晒される少女が、絶望の果てに連続殺人鬼に救いを求める「無垢の祈り」。限りなく残酷でいて、静謐な美しさを湛える、ホラー小説史に燦然と輝く奇跡の作品集。



























2007年版「このミステリーがすごい!」第1位に選ばれ、さらに第59回日本推理作家協会賞短編部門を受賞したということで、そのインパクトの強い名前はかなりの知名度を持っているみたいですが、僕は今回それを初めて読むことができました。




今作は短編集で、ミステリに分類してよいのか分からないような作品も多々ありますがおおよそではミステリ要素は全てに入っていて、その他、絶妙な比率でホラー・スプラッタ・グロなどが配合されてます。


もうね・・・、本当、読んでみたら分かりますよ。この作者、頭おかしい。精神鑑定してみてほしいですね。なんていうんでしょう、こう・・・着眼点がおかしいんですよねぇ。





たとえば表題作『独白するユニバーサル横メルカトル』ですけど、ユニバーサル横メルカトルは中学の地理の授業で習った「メルカトル図法」の世界基準版らしいので、まぁつまり地図の製法の名前で、本来、球体である地球の様子を平面の地図に書き表わすために編み出された製図法ですね。












まぁというわけで今作では




地図がしゃべります!!!!


















今、全米に衝撃が走りましたね。衝撃的でした。いきなり地図が喋り出しました。昔、乙一の作品で、物語が死体目線で語られ始めたのを見たときはどうしようかと思いましたが(『夏と花火と私の死体』)、それよりも驚きました。地図が喋った!!!!!


語り手の地図はタクシーの車内で、ご主人である運転手がタクシーの運転手であるという利点を活かして連続殺人をおかすのをいつも見ていて、その様子を語ったり、ときにはご主人が警察に捕まらないような逃げ道をご主人にバレないようにこっそりと指し示してみたり、とかそんなことをやってますが、そのうち、そのご主人が事故で死んでしまわれて・・・という話です。

本当、自分で書いていてなんですが、どんな内容か全く分かりませんね。でも凄かったです。地図帳、怖ェよ!!!まぁある種のファンタジー要素も強いですね。幻想譚と呼ぶほうがふさわしいかもしれませんが。ううん、評価しづらい作品ではありますが、この着眼点はすごすぎます。そもそも球体である地球を平面に書き表わそうとした時点でどうしても地図には「ゆがみ」が生じてしまうんですよね・・・。それにしてもそんな歪みかたかいっ!!!って感じですけど。



その他、『C10H14N2(ニコチン)と少年』は2個の〇〇を持ったオッサンと少年の話でした!本当、何の話だ!!!ど下ネタです。このタイトル、本当にひどい!!そして全体的に頭がおかしい!ラストのオチも、えっ、嘘でしょ!?って感じの、救いの全く持てない終わり方でした(今作に関してはこういう終わり方を僕は期待していた面もあったので、おおって少し感動してしまいましたけど)。



あとは『Ωの聖餐』とか『怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男』はグロです。その他の作品もそれぞれ違う毛並みの作品ばかりで、本当、読んでいて眩暈がしてしまいそうでした。これはすごかったですね。



読みながら、「奇をてらいすぎて内容に収まりがない!」とか言われてしまいそうだな。と感じましたが、普通のミステリに飽きた人や、怖いもの見たさの人なんかは一度見てみてほしいです。



僕はいたく感動(もちろん「泣いた」という意味ではない)しました!!


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