大学の図書館でたまたま見つけたので借りて読んでしまいました!

島田荘司の『溺れる人魚』です。




溺れる人魚 (文春文庫)
島田 荘司
文藝春秋 (2011-02-10)
売り上げランキング: 152415




内容(「BOOK」データベースより)
オリンピックで4つの金メダルを獲得した天才女性スウィマーが30年後、リスボンで拳銃自殺を遂げた同じ夜、彼女を破滅に追い込んだ医師が射殺された。2人の命を奪った弾丸は同時刻に同じ拳銃から発射されたものだった!?表題作など異郷の都市を舞台に描く3篇と、著者の原点・横浜の今を描く1篇、巻末には自作解説を収録。
























『溺れる人魚』は4つの短編からなる短編集です。

なかなか興味深い話が多く、どれも味わい深い話であったのはやはり島田荘司の筆致力ですかね!!






表題作『溺れる人魚』は、アディーノ・シルヴァというポルトガルの世界的に有名であったスイマーが、その奇行の数々から半ば強制的にロボトミー手術を受けさせられたことにより精神を蝕まれてしまい、その手術を行なった医師を呪いながら自殺をしたところ、その医師もほぼ同時刻に離れた場所で何者かに殺されていた、という話です。




いやー、相変わらずですね。ロボトミー手術は大学の授業で何度か聞いたことがありますけど、なんだか悪名高いみたいですね。脳の一部を故意に切断する手術なのでまぁ色々と問題もあるみたいです。今作は実際にあった、ロボトミー手術のおこした悲劇をもとに描かれているみたいです。僕は島田荘司のことだからアディーノ・シルヴァも実在するのだろうと思ってましたが、ネットで調べてみたらどうも実在はしないようですねorz




ミタライさんは出てこないんですが、その友人(?)のような人が出てきて、事件を解決してくれます。アディーノ・シルヴァが自殺したことは確実なんですが、アディーノ・シルヴァに手術を行なった医師もほぼ同時刻に離れた場所で殺されていて、しかもどうやらアディーノ・シルヴァの部屋で見つかった銃で殺されていた、というのが謎の焦点なんですが、そもそもこの謎が出てくるのが物語の半ばを過ぎたあたりで、あんまりこの謎は重視されていなかったように思います。



当然トリックがあるんですが、



wwwwww




・・・・うん、まぁ良いか。

色々と考えさせられる話です。ロボトミー手術に警鐘を打ち鳴らすという意味ではぜひ読んでみてほしいですね。









次の『人魚兵器』は最近の御手洗モノらしい作品で、友人から、あきらかに人魚のものだと思われる骨の写真を見たという話を聞いた御手洗さんがその謎をとくために世界各国を旅するという話です。


いつのまにか御手洗さんって、生命科学や医学、歴史や戦争などなんでも知ってる冷静で好奇心旺盛な万能型の探偵になりましたよね。今作で僕はそれをとても強く思いました。もっと浮き沈みの激しいタイプで、石岡君はいつもそれを嘆いていたような気もするんですが。


まぁ今作の歴史の謎は、読者には解けません。御手洗さん。御手洗さんです。











『耳の光る児』は特になんもないですが最後の『海と毒薬』は読みながらニヤニヤしてました。


石岡君のもとに届いたファンレターをそのまま掲載してるだけなんですが、そのファンレターの中で「私は先生の『異邦の騎士』に助けられた」みたいな文章が繰り返し繰り返し出てくるんですよ!


まぁ確かに『異邦の騎士』は名作なんですけど、それを、ファンの口を借りている形式とはいえ、褒めすぎだろーwwwww

話自体は、僕にはなんでこの話をいれたのかが良く分からないんですが、まぁミステリではなかったので読み物としてヒマなときに読んでみれば良いのではないでしょうか?




・・・・そろそろ『ネジ式ザゼツキー』読まないと。前も言ったな、コレ。



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島田 荘司
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