有栖川有栖の作家アリスシリーズの短編集『暗い宿』です。



あぁ、アリスと火村さんがかわいい!!


暗い宿 (角川文庫)
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有栖川 有栖
角川書店
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内容(「BOOK」データベースより)
犯人当てゲーム“トロピカル・ミステリー・ナイト”に参加するため、南の島のリゾートホテルを訪れた臨床犯罪学者・火村英生と推理作家・有栖川有栖。ハイビスカスに彩られたロビー。人魚姫のようにさざめく女たち。抜けるように青い空と青い海。バカンス気分で、のんびり過ごしていた二人だったが、訳ありげな夫婦に出会って…(「ホテル・ラフレシア」)。廃業した民宿、冬の温泉旅館、都心の瀟洒な名門ホテル―。様々な“宿”で起こる難事件に火村&有栖川コンビが挑む。傑作ミステリ作品集。




















いやー、ごちそうさまです。やはり有栖川作品は素晴らしいと思いました。僕、これ、すごく好きですねぇ。



宿をテーマにした短編集で、アリスや火村さんが旅行に行った先の各地の宿(旅館や、ホテルなど)で起こった事件をまとめてます。



国名シリーズの短編集で起こる事件は、なんだか『事件紹介』になってるような気がしてしまうんですが(こういう事件があってトリックはこうで、はい、犯人は誰誰でした、終わり!みたいな感じ)、今作は割りとストーリーがしっかりとあってその中で事件も作られているように感じられて後味がとても良いです。



1、『暗い宿』


アリスが訪れた取り壊し直前の民宿で人骨が見つかる話。


人のささいな行動の矛盾や不合理から事件解決まで導いてしまうようなそんな話が僕はとても好きなのだと島田荘司の御手洗シリーズを読んで思ったりしてますが、やはりこういうの好きですねぇ。




2、『ホテル・ラフレシア』


アリスと火村が泊ったホテルで開催されたミステリーゲーム。ホテル側が演じた殺人劇の犯人は誰かをホテルの宿泊客たちが推理して当てる話でした。


他の客が真相にたどり着けないでいる中で、アッサリと真相にたどり着けたアリスはやはりミステリー作家だな、と初めて思いました。アリス、普段はあんまりいいとこないですからね。で、火村さんはそんなお遊びには付き合わずに、裏でこっそり違う事件に挑んでます(笑)。
こういう趣向、面白いですね。




3、『異形の客』


アリスが訪れた旅館に逗留していた謎の人物とその人物の部屋で死んでいた男の話。


強いて言えば一番よく分からなかったのがこの話ですかね。ま、悲しい結末を用意した話もひとつぐらいあってもよいですね。




4、『201号の災厄』


火村さんが部屋を間違えて入ったその部屋には、女性の死体が転がっていて、その部屋の宿泊客である海外の有名ロックンローラーは「殺したのは俺じゃない。お前をこの部屋から出したらお前は俺を犯人だとして、警察に通報するだろう。だからお前はこの部屋から出ずに、俺が犯人ではないことを証明しろ」と、無理難題をふっかけられます。


これは火村さんの頭の良さが冴えますね。まちがいなく今作のナンバーワンの傑作でした。事件に巻き込まれた火村さんが、己の身の安全を確保するために事件を解決へと導きます。さすがって感じです。これは本当に良かったです。








っていう4編でした。
もうすぐ作家アリスシリーズも読み切ってしまいそうだということに気がつきました。あと5~6作ぐらいですかね。
うん、でも今作はその中でも割りとお薦めですよ。


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