月明かりの或る、いい夜になりました。


真夜中の大空の下、夜気を肌に感じ佇む時は、


柔らかな侘しさにも似た深い静けさを湛えます。


あの海と空、それぞれに描かれた彩りの記憶が、


初めから何事も失かったかのように遠ざかってゆきました。