夢より目覚め訪れた此の夏路は、


去年よりも遥かに長く、月満ちる後の如く閑寂な時を刻む。



気だるさ薫る夏の夕暮れに、白鷺は緑の淵で又ぞろ羽を広げた。


彼方へと霞む慕情が、言葉と鼓動の行き場を失くしてゆく。