色のない季節、ひらいた花。


咲かなかった花火、淡く過ぎ去りし夏の残り香。


眠りを知らぬ都会の夜、落ちた雨粒。


早咲きの薄紅の下、蒼く過ぎ去りし冬の残り香。



失われた白と黒の景色は、鮮やかな透明に落ちゆく。


純白のケーキに、一粒の真赤な苺を添えるように。


S.O.S……Strawberry on the Shortcake.