昨日は、親睦会のような、決起会のような、とにかく「今年も公演頑張るぞ」の気持ちで劇団主要メンバーで飲み会をやりました。

 来れなかった人がいたのは残念ですが、ボランティアで東北に行っていたり、仕事であったり、それぞれ忙しかったので、仕方ないです。またやりたいですね。普通に飲み会。

 

 さて。

 昨日飲んで今日は稽古です。

 さすがにちょっと頭がボワッとした感じになっていました。

 そんな中で今回初の参加者もいて、新鮮な稽古となったのではないでしょうか。


■本日の稽古■

【参加者】

男性5人 女性2人


【内容】

ストレッチ

顔の柔軟

発声練習

ストップモーション

エチュード


 今日はエチュード多めで。

 エチュードは即興劇です。

 筋書きの無いドラマです。

 

 エチュードをやるとどうしてもウケを狙ったり、奇抜なことをやりたくなってしまいがちです。

 ですが、狙いは必ずしもそこにあるとは思いません。

 個人的な意見ですが、第一に舞台に立つということを成立させることだと思います。


 それはコミュニケーションを成立させることでもあります。

 コミュニケーションを成立させる為には、相手の話を聞かなければなりません。

 相手がどう動くのか、どんな雰囲気に持って行きたいのか。あるいは、自分を分かってもらうにはどうすれば良いか。やりたい事をただやろうとしても上手くいかないでしょう。

 ですから、コミュニケーションを成立させるには相手を思いやる気持ちが必要になってくると思っています。少なくとも相手に興味が無ければならない。

 相手の動向に気をかけることが必要になってくるでしょう。


 また、芝居は日常の生活、感覚の再構築だと思います。

 日常生活そのままを舞台に持ち込んでもそれは成立しないでしょう。

 日常生活には観客がいませんが、芝居には観客がいるからです。

 芝居は、観客がいなければ成立しません。

 観客がいないところで芝居をやってもそれはただの独り言になってしまいます。

 話を戻しますと、日常の生活、感覚の再構築。

 これが何故必要になるかといえば、観客に見せる為です。

 見ている人がいるからには、そして、見ている人に何かを伝えたいならば、見ている人に分かり易く自分の事を伝達する必要があるからです。

 だから、腹式呼吸・発声を使い、通る声を作り出し、遠くの人に聞こえるようにします。

 だから、動きの一つ一つを遠くの人からも見て分かりやすいように大きく動く必要も出てきます。

 だから、照明、音楽を使って部隊の雰囲気を作るのです。

 これらは人に見せる為に行っています。

 例えば、“笑う”という行為にしても、喜んで笑っている。悲しいけどムリヤリ笑っている。どうしようもなくて笑うしかなくて笑っている・・・など様々な笑いがあります。

 ただ、笑うだけではその“笑い”の裏にあるものは見えてきません。

 その“笑い”の雰囲気を作り出すが為に、笑う前の表情はどんな感じなのか、笑っている時の表情は。どのように顔の筋肉をつかっているか。口の端をあげるだけで、それは遠くの観客にも見ていて分かるのか。

 “笑い”一つ表現するにも、自分の経験・知識から“笑い”に関するものを引っ張り出してきて、見ている人に十分に伝わるように組み立てていく必要があるのです。

 これもまた、見ている人の事を考える。見ている人に興味を持つ。

 相手を思いやる。そんな気持ちがベースになくてはならないのではないでしょうか。


 芝居は、すべてがコミュニケーションの塊です。

 舞台上で役者同士がコミュニケーションをし、そのコミュニケーションを観客に見せることで、舞台と客席でコミュニケーションを図っています。

 稽古中も、役者と演出がコミュニケーションをして作品を作っています。

 演出とスタッフがコミュニケーションを通じてスタッフワークを行っています。

 生身のコミュニケーションをエンターテイメントに昇華させるのが芝居なのでしょう。

 その上で大事なのは相手を思いやること。コレに尽きると思います。


 そんなことを今日の稽古で感じました。