食道がんが見つかったきっかけは、僕の場合は頭痛だったので、毎年検査していた人間ドックは素通りした結果です。

 もっとも、消化器系はバリウムで済ませていたので、見つけにくい食道がんはみつからないようですが。

 

 でも人間ドックは随分定期的に受けていて、聴力検査の時に「高周波は聞こえなくなっていますね」と言われてもう7~8年。何となく気が付いてはいましたが、きっぱり断言されると「老化宣言」を受けたみたいで、ちょっとヘコみました。

 

 俗にいう高周波=モスキート音が「不快な気分にさせる年代」と「聞こえないから分からない年代」の後者に属した訳です。よくコンビニは店の前にたむろする若者対策としてモスキート音を流すと言いますが、老化宣言を受けた我が身はへっちゃらです、というか、聞こえないから分かりません。

 

 

 ところがいつも入院して困るのが、看護師さんに促されて脇の下に挟んだ体温計の「ピ、ピ、ピ、ピ」が聞こえないこと。

 どんなに耳を澄ませてもダメで、体温計を入れたらシャツの首のところを開いて耳をよせて、全神経を集中してやっと分かる程度。

 

 もっとも高齢者対策だからといって、体温計の音が警報機並みにうるさかったら今度は心臓に悪いかもしれませんが、もうちょっと聞こえやすい音にして欲しいものですが。

 

 さっきも脇の下に挟んだ体温計に耳を澄ませていると、「あ、鳴った」と気付くより先に、近くで点滴台をいじっていた若い看護師さんに「体温計なりましたよ~」と軽くひと言。

 あんなに距離が離れていてもこのわずかなモスキートを聞き取れるとは、「若さ」恐るべしです。

 

 さあ、あと抗がん剤3本、頑張るぞ。