治療する間、2度にわたって入院することとなりました。

 

 5月連休明け、最初の抗がん剤投与が始まった頃は食道がんを患っているとはいえ、まだ身体的に大きな不調はなく、喉に若干違和感がある位でした。点滴のチューブにつながれているため移動の際は点滴スタンドを押しながら病院内の限られた場所をウロウロ歩き回るのが唯一の運動。あとはベッドの上でゴロゴロするのが関の山ですから、おなかが空く環境ではありませんが、それでも食欲はありました。

 経験者の忠告に従って持ち込んだフリカケ「ゆかり」や「江戸紫」を頼りにご飯を掻き込みました。

 

 今までの入院経験は今回の病院に一度入ったきりなので、他の病院ではどのような食事が出るのか分かりませんが、巷間ささやかれる通りに決して褒められた献立ではありません。まあ、厚労省規定で1食460円で提供と決まっている以上こんなものなのでしょう。文句は言えません。

 

 一説では、この病院でも差額ベッドを選べば一流レストランの食器でおいしい食事が出てくるとかいうことですが、一般庶民には無理。提供される食事を頂きます。

 

 献立はカロリー制限と調理基準に従うのでしょう、味や食感をうんぬんできたものではありません。ただどれもわずかにぬくもりがある状態で提供してもらえるのがありがたい、といったところでしょうか。

 

 最初の入院は栄養の経口摂取に励みました。