無題
3月11日、午後2時過ぎ。
僕はゆっくりとした午後の時間を過ごしていた。
久しぶりの休みで晩御飯は何を食べようかなんて考えていたような気がする。
そして、2時46分、それが起きた。
最初はいつも通りの地震だと甘くみていたんだ。
しかし、10秒たっても収まらない。
揺れは大きくなる一方だ。
関東大震災が頭をよぎった。
パニックになりそうだったが、それと同時に大切な人を守ろうとした。
自分のことなどかまわず。
揺れは更に大きくなって、次第に横揺れに変わっていく。
僕にできたのは揺れから身を守ることしかなかったんだ。
それから、普段より遥かに長い数十秒を刻んだ。
揺れは収まり、少し混乱した頭で倒れた家具を直しながらテレビをつける。
ブラウン管の中には惨事が広がっていて、それはまるでこの世の終わりのような。
僕はまだその時は、傍観者だったのかも知れない。
とりあえず、家に帰ることになり駅に向かった。
明らかにいつもと違う。
人混みで駅前はパニックになっていて、電車もバスも動いていない。
ブラウン管越しの世界とは違った、手で触れるような生々しい感覚。
みんな我先にと自分の帰路を急ぐ。
そこで初めて僕は気づいたんだ。
「震災」の中に自分はいるんだって。
他人事じゃないんだって。
幸い、大切な人も僕も怪我一つ無く無事だ。
無事だからこそ、被災にあった人の為に何ができるのか。
無力な僕では何もできないのか?
いや、きっとできるはず。
何か見つけよう。
「やらぬ善より遣る偽善」でも良いから。
僕はゆっくりとした午後の時間を過ごしていた。
久しぶりの休みで晩御飯は何を食べようかなんて考えていたような気がする。
そして、2時46分、それが起きた。
最初はいつも通りの地震だと甘くみていたんだ。
しかし、10秒たっても収まらない。
揺れは大きくなる一方だ。
関東大震災が頭をよぎった。
パニックになりそうだったが、それと同時に大切な人を守ろうとした。
自分のことなどかまわず。
揺れは更に大きくなって、次第に横揺れに変わっていく。
僕にできたのは揺れから身を守ることしかなかったんだ。
それから、普段より遥かに長い数十秒を刻んだ。
揺れは収まり、少し混乱した頭で倒れた家具を直しながらテレビをつける。
ブラウン管の中には惨事が広がっていて、それはまるでこの世の終わりのような。
僕はまだその時は、傍観者だったのかも知れない。
とりあえず、家に帰ることになり駅に向かった。
明らかにいつもと違う。
人混みで駅前はパニックになっていて、電車もバスも動いていない。
ブラウン管越しの世界とは違った、手で触れるような生々しい感覚。
みんな我先にと自分の帰路を急ぐ。
そこで初めて僕は気づいたんだ。
「震災」の中に自分はいるんだって。
他人事じゃないんだって。
幸い、大切な人も僕も怪我一つ無く無事だ。
無事だからこそ、被災にあった人の為に何ができるのか。
無力な僕では何もできないのか?
いや、きっとできるはず。
何か見つけよう。
「やらぬ善より遣る偽善」でも良いから。