皆さん、こんばんは。

 

本日は不動産登記法の講義でしたが、

講義中にご質問頂きました内容について、

条文を提示しながらご説明いたします。

 

頂きましたご質問は下記内容です。

 

権利関係合格テキストP203 に、

権利の順位については

「別の区にした登記相互間については

受付番号によります」

と記載されているが、

 

P195下の登記、権利部(甲区)の

順位番号2の受付番号と、

 

P196の登記、権利部(乙区)の

順位番号2の受付番号では、

 

先の受付番号の方が若いのに、

P196の登記の方が順位が上なのは

なぜか?

 

という質問でした。

 

 

まずは、

P195の画像をご覧ください。

 

 

順位番号2で、

受付年月日:昭和50年5月3日

受付番号:第1302号

 

となっています。

 

続いてP196の画像をご覧ください。

 

 

順位番号2で、

受付年月日:昭和40年5月28日

受付番号:第1423号

 

となっています。

 

 

2つの画像の登記は、

川上清が、

地上権が設定されている土地を

購入したことを表しています。

 

 

質問内容は、

別区(甲区・乙区)間の順位の前後は、

受付番号によるのに、

 

地上権の第1423号が、

所有権移転の第1302号に

勝るというのは

おかしいんじゃないか

というものです。

 

 

 

結論から申し上げますが、

登記簿は間違っておりません。

 

しかし、

参考書の説明不足なので、

誤解されてもおかしくないと

思います。

 

 

ご説明します。

 

 

まず、

不動産登記規則2条1項には

このように定めています。

 

登記の前後は、登記記録の同一の区(第4条第4項の甲区又は乙区をいう。以下同じ。)にした登記相互間については順位番号、別の区にした登記相互間については受付番号による。

 

これは、合格テキストの

P203に記載の内容と同じです。

 

 

ここからが、

補足が必要な内容なのですが、

 

不動産登記規則第56条3項には

このように定められています。

 

受付番号は、一年ごとに更新するものとする。

 

すなわち、

受付番号は、1年すると、

また1からカウントしなおします。

 

ですので、

年が異なる登記の場合、

今回の登記簿例のように

受付番号がテレコになる

ことがあるのです。

 

 

 

そのため、

別区の登記の順位を確認する場合、

 

 

「受付番号」と「受付年月日」

で順位が決まる

 

というのが正しい表現です。

 

 

同じ年の登記で、

別区の登記の順位を確認するのであれば、

基本的には順位番号を見れば

よいですが、

 

年が異なる場合には、

受付年月日を確認しなければ

なりません。

 

 

※時代によっては、

月ごとに受付番号を更新していた

時代もあるようです。

 

 

年が異なれば

受付番号が更新する例として、

 

P196の

順位番号2と

順位番号3をみてください。

 

順位番号2は受付番号第1423号

ですが、

 

順位番号3は受付番号第1420号

になっています。

 

更新されているからですね。

 

 

以上、

質問に対する回答でした。