そっくりな兄弟煙管(きせる)の後は二つのバツクルがデーラの方のテーブルの上に並んで居るのが見えた。
一つは西洋唐草の細密な柄(がら・デザイン)が刻まれていて昭和30年代に紳士物のライダーやらバックルで流行ったタイプで、僕の父も此ゆに似た物を持って居たと記憶する。
どをやら此の辺りの懐かしさの気持ちを思い出すのに骨董やらアンテークの品が必用と言う物の様だ。
裏返すと「SILVER」と有る。
確かに銀素材で無ければ、此の様な細密な西洋唐草の彫りは出来ない訳だから、銀と言うのは頷けるのだが…。
価格が安い気もするが、今時は此の手のバックルは流行らないのだろうからだろうが僕は流行は全く気にしないので昭和30年代を腰に巻いて町中を歩くとする。
何だか伯父さんの片身分けの気分と言う所で有る。
しかも、以外に此の手のバックルは使えて普段使いには持って来い。
もう一つは、ほとんど真っ黒で良く柄が見えないのだが家に帰って布で軽く汚れを拭うと、此又銀色の地金と火の鳥(フェニックス)の様な鳥が浮かび上がった。
裏返すと、「東株代理人共和會 創立四十周年記念」(會自体の事は解らないなが。)と厳めしい書体で云われが記して有り此は戦前の結構古い物かも知れないがしっかりとして居て普段使いには持って来いなのだ。
近いうちにはハンズでベルト皮を買って来て街歩きに使う事にする。
勿論、いくらおめかししてもサクラの會には呼ばれ無いけども、来年の散る桜のしたを歩くとするか?。
2019年12月6日
ーつづくー
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