兎に角、すいて来たとは言え流通センターの平和島・全国古民具骨董まつりは膨大な商品と激しい業者の方の入れ替わりで、目が離せないのだ…。
今日は大した物は出て居ないだろうと高を括っていると、でた~。
白い玉。
見た目鬼太郎の目玉親爺に見えるが、れっきときた硝子玉。
即ち、アイヌ玉には珍しい白い玉には間違いなし。
勿論、アイヌの方々が硝子細工をすると言う訳では無くして中国の北の方から来た山丹人(さんたんじん)の交易商人が、貨幣の対価としてもたらした硝子玉で、江戸時代の蝦夷地ではには此の手の大玉一っで、熊の皮五枚、又はテンの皮二十枚に値したそうだ。
概ねアイヌ玉は既婚者の装飾として使われて、男や未婚者は用いないと言うしきたりが有ったそうだ。
したがつて、此の手のアイヌ玉を所有する既婚者は余程の猟人を配偶者に持って居ると言う証(あかし・証明)に成る訳だ…。
所で、江戸時代の本州では此ほど大きな硝子玉、詰まりトンボ玉が無い為に、蝦夷地(北海道)で此の手の玉を見た本州の交易商人が、アイヌ玉をアイヌとの交易で本州にもたらした為に、今の裏日本、富山~酒田等の港街から偶々発見去れては古物市場に出ると言う訳では有る。
さりとて、昔も今も本州のご婦人方は全く興味を示さず、敢えて関心を持って居るのは僕の様な叔父さんのみと言う事らしい。
どうやら余りに重すぎてアクセサリーとは成らないそうだ。
したがつて江戸の昔でも、叔父さん達が珍奇趣味で、緒締めやら、根付けやら、掛け軸の風沈として使ったらしい。
小さいと言っても直径4㎝は有るボリューム感と歴史感に満ちたアイヌ玉との出逢いは市の神様のお導き~。
神頼みの市散歩は続くョ何処までも。
2019年6月22日
ー続くー
株式会社美和 03-3782-1546
自由空間しおん