room704 short story vol.15 | room704

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時を刻む柱時計は、チクタクチクタク。
空を舞う大きな鳥は
天高く羽を広げ大空を舞う。
街を行き交う人は、コートの中に
顔をうずめ足早に通り過ぎる。
イルミネーションはきらきらと
見る人を少し翻弄させるように
またたく。空はまっくら。
今にも雪が降り出しそうな、グレイの
衣をまとったような厚い厚いマントを
翻しているように空を覆っている。

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森の公園もすっかり暗く、小鳥たちの声も
聞こえずにひっそりと
ただ静かに時を感じている様子。
生い茂っていた緑の葉っぱは
すっかりなくなり枝枝が衣をまとわず
裸のまま立ち並ぶ。
緑のはっぱの落ち葉がかさかさと
触れ合い風に吹かれる音だけが
静かな音楽を奏でているような。

遠くに聞こえる教会のチェンバロの
音色は森の公園も街も、すべてを
包み込むように優しく鳴り響いていた。
黒いステッキを右手に持ち
真っ黒なスーツに身を包んだ
長足の男。パリッと着こなす
スーツはしわひとつない。
形のいいハットを被り
端正な顔立ちのその人は、
森の公園の入り口の小さなベンチに座り、
優しく目を閉じ、じっとしていた。
街や教会や森の公園の
すべてが奏でる音を吸い込むように。

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突然すっと立ち上がり、長足ステッキの男が
被ったハットを左手に持ち
胸の前に帽子をかざしステッキを一振り
タップダンスのように、両足でリズムを刻む。
自然とそこに、タップの軽快な音が
聞こえてくるように。
その瞬間、街には小さな小さな雪が舞い
森の公園の小さな花壇のつぼみをもった
花々は少しずつ開き始める。

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時を刻む柱時計は
一層忙しげにチクタクチクタク。
そうやって少しずつ
森の公園にも冬が来る。

チクタクチクタク。

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