河の流れのように | 尾川永次のブログ

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小説、ポエム、旅日記などなど徒然なるままに行きたいと思っています

一歩一歩、河の淵に近付いて行く母に赤子の様に食事を与える。

母はどんな気持ちで私に食事を与えていたのだろう。

 

今の私には少しでも河までの距離を長くしたい、それだけだ。

出来ればもう一度、リブを連れて公園に散歩に行きたい。

それだけだ。

 

母の祈りも同じだったのだと今は思える。

元気に育って欲しい。

ただそれだけ・・・。

 

唯一の救いは末期がんであるが激しい痛みが無いこと。

それだけでも有り難いと思う。

苦痛に耐える本人と見守る家族の辛さはいかばかりだろう。

 

最近はちゃんとした会話が出来づらくなった。

言葉も聞き取りづらく意識もはっきりしていないような感じだ。

 

ただ、昨日・・・。

くさいセリフを母の耳元で囁いた。

 

「かあさん、ありがとう。貴方の息子で幸せでした」

同じ病室の患者さんに聞こえると恥ずかしいので

耳元で囁いた。

 

聞いているのかいないのか、分からない反応だった。

でも少しして、母の眼から涙が溢れた。

 

母はいつまでも母だ。

 

母さんありがとう。