たんと 11 | 尾川永次のブログ

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小説、ポエム、旅日記などなど徒然なるままに行きたいと思っています

      コットタント 11


岩山を出て二時間、チキとタキがスコットタントの肩に乗ってきた。

 

「それにしても、こう陽射しが強いと少し熱いですね」

チキは手をかざし晴れ渡ってた空を見上げた。


辺りはなだらかな平原が何処までも続き、岩と乾いた土と所々に

雑草が生えているだけだった。


「タント、おなか空いた。どこかで休憩しようよ」

 

スコットタントの耳の辺りに身体を摺り寄せてタキが言った。

「それじゃ、あそこの木の下で休もうか」

「そうですね、他に日陰が在る場所は無さそうですし」

「やったー。飯だ飯だ」

 

タント達は平原の中にぽつんと生えている一本の大きな木を目指した。


やがて木に着くと辺りには四角く加工された石が広範囲に散らばって

いるのが分かった。


「街が在ったみたいだね」

スコットタントの疑問にチキが答えた。

「物知りフクロウのジュジュさんに聞いたことがります。何千年も昔

 この辺りには森があって多くの人が住んでたそうですよ」

「そうなんだ」

スコットタントは僅かに生えている雑草にリュックを降ろしチキと

タキの食べ物が入っている袋を出して二匹の前に置いた。

「はい」

「どうもどうも」

「飯だ飯だ」


するとリュックに入れてあった壷からメイルの声が聞こえて来た。

「タントー、出してー」

「そうだ。忘れてた」

スコットタントがリュックから壷を取り出すのを見てチキは諦め顔で

タキは木の実をかじりながら迷惑そうな顔で呟いた。

「さらば、平穏な日々ですか」

「あーあ、騒がしいのが起きちゃったよ」

そう言い終えた二匹の前には半眼で睨みつけているメイルがいた。