この話は私が中学の修学旅行で京都に行った時の出来事です。
ただこの話は今までのような、明解な幽霊のお話ではありません。
実は私も何なのか全然分からないんですがとにかく怖かった記憶だけはあります。
私達の宿泊先は京都の繁華街にある旅館でした。
うちのクラスは大部屋で全員が同じ部屋で寝泊りしていました。
その部屋はニ皆にあったのですが、アーケードのある商店街に面していて、ベランダ
に出ると商店街の通りが一望出来ました。
たしか、最後の日だったと思います。
夜中の二時近くになりさすがに半分ほどの友達が睡魔に負けて寝始めた時でした。
商店街も静まりかえっていて、私も少しうつらうつらし始めた時です。
遥か彼方から笛のような音が聞こえて来たのです。
それはどんな音かといいますと、最近の人は多分見たことも聞いたこともないと思い
ますが、キセル売りとゆう職業がありまして。サイドカー付きの自転車にショーケース
と小型のボイラーが付いています。ボイラーはキセルの修理に使います。蒸気で
キセルの曲がりとかを直すのです。その蒸気がショーケースの屋根から出ていて
そこに付いている笛を「ピー」と鳴らすのです。その音はキセル屋が来ましたよの
合図なんですがこの音にそっくりでした。
その音を静かな通りに響かせながらとても大きい音でどんどん近付いて来るのです。
部屋の中で何人かが言い出しました。「何の音だよ、あれは」
どんどん近付いて来ます。聞こえて来るのはその音だけです。他の音はいっさい
聞こえて来ません。歩く音も、話し声も・・。そしてどんどん近付いて来ます。
歩く程度の速さで、本当に大きな音でした。
やがて私達の前に来るとその音は動くのを止めたのです。
音だけが聞こえてきます、耳を塞ぎたくなるよう音でした。
そして、その音は動き出しました。元の方に戻って行きます。ゆっくりと・・。
ちなみに此処まで一度も音は途切れていません。鳴りっぱなしです。
どんどん小さいくなりやがて聞こえなくなりなした。
ところが突然商店街のシャッターが開き出したのです。殆どの店のシャッターが
開いたと思います。やがて人が出てきてざわざわ話はじめました。
十五分位話していたと思います。やがてシャッターの閉まる音と共に人々は店の中に
帰って行き、通りに静寂が戻りました。
それから十分位でしょうか、また・・また聞こえ始めたのです・・笛の音が・・
遠くから少しづつ、少しづつ近付いて来ました・・・恐怖は最高潮です。
部屋の中の誰かが言いました。「誰か見て来いよ」
誰もその声に返答しなかったですね。勿論私もですが怖くて固まってました。
先程と同じです、どんどん近付いて来て、私達の部屋の前辺りで止まり、やがて元
来た方へと戻って行きました。そして聞こえなくなった時、また商店街のシャッターが
開いて人が出て来ました。何で音が目の前に来た時に出てこないのだろう?
そんな疑問も沸きましたが、本当に怖くて私には見る勇気は無かったです。
やがて人々は帰って行き、再び商店街は静寂に包まれました。
そしてその音は二度と現れませんでした。
たったこれだけですが本当に怖い夜でした。
多分誰かの悪戯なのでしょうが本当に怖かったです。
誰も音の正体は見ていません、謎のままで終わってしまいました。
そして疑問がいくつか残りました。
1、音は生の音に聞こえました。スピーカーの音では無いです。
2、だとしたらなぜ音が途切れなかったのか?何の音なのか?
3、その音以外になぜ他の音がしないのか?
4、商店街の人たちの対応が変だ。
5、音の指向性の問題ですが、向きを変えた形跡がない。音に動きを感じ無かった
のです。多分移動していただけです。
6、何の為にそんな事を誰がしたのか?
以上が修学旅行で体験した恐怖の一夜でした。
もし京都の方でこの音の原因が分る人がおられましたらメール下さいね。
昭和45~6年の頃の話です。
お待ちしております。