わたしは思い出す。
あなたの冷たい指先を。
まっすぐな背骨を。
細く柔らかな髪を。
なぜあなたがいないのか。
あいたい
あいたい
瞬きも忘れて
あなたの全部を思い出そうとしても
確かにあったのに
少しずつ忘れていくのがこわくて
だからわたしはどこにも行けない
2人がゆらゆら揺られた夜を
また朝が追い越していく
心細くて
身動きがとれず
こごえていた いくつもの夜
「めくるめくミラーボールのって
水星にでも旅に出ようか」
あなたが見てた世界につれていって。
永遠に続く夜明け前の空で抱きしめて。
包み込む波の音にゆだねて揺られて
こわくないよ
まるで宇宙
「きらきらひかる星のはざまで二人
踊り明かしたら
もっと輝くとこにきみを連れていくよ」
やっと見つけた。水星のかけらを。
やっと、また逢えた!!
【解説】
DAOKOが唄う「水星」を聴いて浮かんだ物語です。
どこか現実感のない「あなた」に恋をした「わたし」
突然死んでしまった「あなた」を追いかけた「わたし」のお話です。
現実社会で浮いた存在の2人。
どちらかがいなければ、ふわふわとゆれてとどまっていられない。
残された女の子は苦しんだ末に、ようやくもう一度彼に逢えます。
ハッピーエンドだけど、どこか切ない。
「水星」の物語。