2020年に直腸がんと診断されて
肛門と、その周りの組織を
ガバッととって、
わたしはオストメイトになった。
(※オストメイトとは人工肛門造設者のこと)
人生最後の
肛門からの排泄は
なんだかすごく感慨深かった、、
…と書いてみたけど、
実際はどうだったのか、
正直、いまは思い出せない。
でも、いま、
書きながら
涙が出ているから、
やっぱり
悲しかったんだと思う。
あるものを
失う。
それは
なんであれ
こわかったり、
悲しかったり
するものなのだろうな。。
6年も前のことだし、
私の中では
ストーマ(人工肛門)は
すでに受け入れていたこと
だと思っていたので、
いま、
不意に流れ出てくる涙に
私自身が
驚いている。
---
お尻から排泄する、
という
今まで当たり前にできていたことが
もう二度とできなくなる、
ということは
考えてもみなかったことで、
それは、
全身の毛が全て抜け落ちた時も
そうだった。
考えてもいないようなことが、
想像すら、したことのないことが、
3年連続で起きた時、
わたしはいよいよ
生き方を
見直さなきゃな、とも思ったけど、
実際には
全身の毛を失った時には、
ダメージが大きすぎて
もう、
立ち上がることすら
できなくなった。
たぶん、あのとき
わたしは
人生のどん底の
そのまたどん底で
暗闇に
ただ
静かに、
横たわっているような状態だったと思う。
それでもね、
いのちは
動いていて、、
わたしはなぜか
友人の開催する
クジラと泳ぐリトリートに
参加することにした。
冬の海。
太り過ぎた身体がいやで、
もう何年も泳いでいない。
半引きこもりで、
乗り物が怖くて、
飛行機に乗るのも
1人ではできそうもなかったので、
娘についてきてもらって、
参加した。
抑うつ状態だったので、
情報処理能力が
嘘みたいに落ちていて、
飛行機のチケットを取ることも
どうやってやったらいいのか??
ドキドキしながら、
ものすごく時間をかけて
やっとのことで、チケットを確保した。
そんな、
何もかもに
あわあわしながらも
なぜか
どうしても
クジラと泳ぎたくて
ふんばった。
海の中で
のっぺらぼうになるのが嫌で
(眉毛もまつ毛も抜け落ちていたから)
アートメイクに挑戦して
眉毛とアイラインをいれた。
シュノーケリングのための
道具も欲しくて、
娘と購入しに行った。
クジラと泳ぐためだけに
半引きこもりの私は
急にアクティブに
外出し、
準備を整えた。
そうだ。
人間は
どうしても
突き動かされる時が
あるんだ。
私にとってソレは
クジラと泳ぐことと、
ダンス、だった。
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