もう収納場所がないので、本を買うのは止めようと思いつつ

目から離れない本があり、ついつい買ってしまう。

 

よく行く書店に「本屋大賞」以外で数か月前からコーナーが設けられている本で

君たちはどう生きるか」という本があります。

ご存知の方も多いと思いますが、80年も前に発刊された本です。

昨年これを原作とした漫画本が発刊されて話題になっていたようで、

あの池上彰さんも(原作は)絶賛と本の帯に書いてありました。

 

タイトルから言って、どう考えても中高生を対象とした内容と思われ

もう「終活」を考えなければならない私には今更必要な読み物とは思えなかったのですが

気になって2ヶ月ほどチラチラと目の隅でそのコーナーを見ていました。

 

結局誘惑に負けて、2週間ほど前に購入しました。

話題の漫画の単行本と、普通の単行本と、文庫本があったのですが

文庫本が岩波文庫でオリジナルっぽかたのでそれにしました。

案の定一番初刊本に近いヴァージョンの様で、旧仮名遣い、旧振り仮名でした。

 

はっきり言って、文章はあまり滑らかでないと感じましたが、

作者の吉野源三郎氏の本業は哲学者だそうで、元々は他の人が書く予定が、

その方が目が見えなくなったかとかで、代わって書かれた物語なんだとか。

とは言え、代書した訳ではなく、構成から執筆まで吉野氏のオリジナルです。

 

内容は・・・想像通り中高生向けの内容で、ハッキリ言って文章は私の好みではありませんが

君たちはどう生きるか」と言うタイトルに遜色のない素晴らしい構成の物語だったと思います。

80年も前からあった本なので、中学生の時に読みたかったなぁ~と残念に思いました。

 

主人公のコペル君が中学1年で、お母さんが多分30代後半、お母さんの弟でコペル君の叔父さんは、

30代半ばなのではないかと思われるので、すでに私より遥かに若い世代だし、

今さら私は「どう生きるか」じゃなくて、「どう死ぬか」を考えなければイケない年代なので

とくに感想は書きませんが、もし中高生のお子さんや、お孫さんがいたら、お薦めします。

 

ちなみに漫画は時代背景を現代に置き換えて描かれているのかと思ったら、

原作の昭和12年(1937年)のままの設定の様なので、若い人にはまず旧仮名遣いの小説より、

漫画の方をお勧めします。