「マツタケだ」。スーパーでつぶやいたつもりだったのに店員の耳には届いたらしい。
振り向いて、今年はマツタケが豊作なのだ、と言った。値段を見ると、細身で3本入りの国産マツタケが1万円前後。十分高い。隣にアメリカ産の太っちょマツタケ3本が2000円弱で売られていた。重さで比べるなら国産の10分の1程度の値段だ。「マツタケごはんならこれでいいですよね」。店員に話しかけると「アメリカ産もおいしいですよ」と答えた。
アメリカ産のマツタケを2本使い炊き込みごはんを作った。国産ものより香りは薄いが、存在感ある歯触りがおいしかった。今秋初のマツタケ料理だ。
翌日、観劇したあとで、イタリア料理店でキノコのクリームソースパスタを食べた。食べながら思い出したのは昨夜残しておいたアメリカ産のマツタケ。パスタと合うかな? 夫に問うと、しばし頭をひねったあとで、おいしいんじゃないの、と答えた。明日やってみよう!
そして翌日の昼。フライパンにオリーブ油(大さじ2杯)とニンニクのみじん切り(同1杯)、種を抜いた赤唐辛子を入れ、弱火でニンニクの香りが出るまでいためる。細切りしたベーコン(30グラム)を加えていためる。塩で味を調整する。
布巾でマツタケの汚れを落とし、石突きの先を削って、グリルで数分焼く。焼いたマツタケを食べやすく、縦に裂いておく。
スパゲティを推奨されたゆで時間よりも1分短く塩ゆでする。ニンニクやベーコンなどをいためておいたフライパンに、裂いたマツタケとゆであがったスパゲティを加えていためる。完成。
キンコンカン! 頭中に鳴り響く勝利の鐘。おいしいのだ。炊き込みごはんよりも強くマツタケの香りが鼻を喉をくすぐる。ぜいたくかもしれないこのパスタ、アメリカ産で作ってみるべし。(イラストレーター、絵も)