月曜日の夜のことだ。
ホーチミンは定例の友人ゴルフ会の後、天文館で飲み会のためアタシは帰り道、STARBUCKSに寄り真壁さんオススメのマンゴーフラペチーノと塩バニラロールを購入

初めて食べる塩バニラロールに興味津々の帰宅中、女医ナーからラインが。

『神戸の学会帰りにとん蝶を買ったので持っていきたいのですが』


やりぃ〜っ!🙆バンザ~イ!


で、アタシの理想的晩餐準備

鶏刺&納豆
マンゴーフラペチーノ、塩バニラロール
愛しのとん蝶

とん蝶は通常バージョンもあり♥

真壁さんオススメ

ウキウキしながら食べようとした時、携帯が鳴った。

大体、携帯がなるのは二択だ。ホーチミンか義母さん
うち80%義母さんだ。軽くため息をつき、電話に出た。

『○さん、今忙しい?』いや、忙しくても行かなきゃならんでしょ、あんた。
『いや、忙しくないから大丈夫だよ』なるべく穏やかな声で答える


『母ちゃん、二、三日前から凄く腰が痛いの。何でじゃろうか?』



・・・ 知らんがな。



一挙手一投足、傍で見てるわけないし、コルセット付けろと言われても外し、入院期間も守らず、退院後やらなくてよい家事を勝手にやって腰痛が悪化した90前の超後期高齢者の腰が痛いとしたらそれは


自業自得 と言うんじゃないの、日本では。


ま、そんなこと言っても拉致はあかないので、鎮痛剤持参で母屋に行き薬を飲ませコルセットを装着し、しばらく安静に過ごすよう念を押し、翌日整形に連れて行くと言った。


その間、一分ごとに繰り返す『母ちゃん、骨折するようなことはしとらん。何で痛かじゃろうか。何なんじゃろうか、○さん。』をスピードランニングのように繰り返す。


知らんがな。
知らんがな。
知らんがな。
知らんがな!

寄せては返す波のように繰り返される『知らんがな』に

『病院で見てもらわにゃわからんて』と繰り返すアタシ

何なんだ、この意味のないやりとり、苦行か。

クーラーもつけていない生暖かい母屋でのやり取りで汗だくになり帰宅して再度ため息。
二、三日前から痛いなら何でその時言わんかね。何でにっちもさっちもいかんようになってから、騒動して言うんかよ。夜に言われてもどうも出来んに決まっとるじゃろうに。
ホーチミンの危機管理能力が低いのは遺伝じゃろうななどと黒い分析評価を繰り返す。


飲み会から帰宅したホーチミンに事の顛末を説明し翌日、以前入院していた病院に連れて行くよう依頼。
義母さんは勝手に退院したから行きたくないと言ったが、早く治したいなら前持ったデータと照合して治療したほうが良いに決まってるし、基本だ。
しかも入院した病院は仮に入院加療となればかなりハイレベルなリハビリも可能。
義母さんのワガママで病院選んでる場合じゃないのよ、ワガママ言うなら人を頼るんじゃない。ええか。


ってな訳で、翌日ホーチミンが義母さんを整形に強制連行
診察、検査を経て、更に精査を2日後に予約して帰宅。
幸い、新たな骨折はなく脊柱管狭窄によるものかもしれないとMRIが予定された。至極、順当な診察結果だ。

当の本人は鎮痛剤の効果か息子には弱々しい姿は見せたくないのか『昨日に比べると痛くない』とのたまっていた。

まだ確定診断が無いので治療が始まっておらず2日後のMRIで方針が決まるが痛みも引いたというので、勝手に検査をドタキャンすることがないようにと思っていた夜、また携帯が鳴った。


『○さん、明後日の検査、行かんよ、母ちゃんは。』と息巻く。

は?婆さん、何言ってんの?

『母ちゃんの話は聞かずに、頭のレントゲン撮って明後日、別な検査をするって、そんな病院には行かなくていい!』


リピートアフターミー、婆さん、何言ってんの?気は確か?

これが実母ミッチーなら大目玉を食らう事例だ

アタシは眉間とこめかみをピリピリ震わせながら言った。
『頭を打ってないのに頭のレントゲン撮る病院はないんだから、それは痛がってる腰のレントゲンじゃないの?診察するのに患者と話をしない医者なんかおらんがな。』

しかし87歳、そうですかと引き下がらない。

ブチブチ言うのを遮り『一緒に病院に行った息子(ホーチミン)と話をして。アタシは一緒に行ってないからわからん』とホーチミンに携帯を渡した。
しばらくホーチミンが義母さんの妄想を全てクリアし検査をキャンセルしないことに同意


一言言っていい?


いい加減にせぇよ、ババア。喰らわされたいか?


義理だから言わないが、実母なら目から火がでるくらい叱りまくりだよ。あのミッチーが引くぐらいの叱り具合だろう。


治したいなら文句は言うな。
治す必要がないならアタシに言うな。
その二択


それだけだ。