来月、義母を連れてホーチミンが義弟を訪ねる。
義母が認知力、遠方の旅路に対する体力が残っているうちに遊びに連れてきてほしいという、義弟のたっての要望だ。


義母にとって、多分ラストとなるであろう東北の地 杜の都。
直通はないため新幹線と飛行機を乗り継いでの長旅になる。
五日間の長旅であること、飛行機を介しての移動、ニャンズの世話を考慮しアタシは不参加。
要は義母さんを義弟の所に無事に連れていけば良いだけのこと。実兄のホーチミンが付いていくのが家族も揃うし一番だ。
アタシも五日間のスーパーホリデーが得られ、五日間の中で休みは一日だけとは言え思う存分、怠惰な生活が送れる。


そんな旅せねアタシにまでワクワクなゴールデンウィークが待っているのだが、一人グレーゾーンに入っているのは旅の主人公である義母。
『他人の家は気を使うよ。一泊がやっとだろうね。。。母ちゃん、気が進まんがよ。。。』

いやいや、厳密に言えば家族の家やん。鹿児島から宮城に一泊の弾丸旅行なんぞ芸能人クラスじゃなきゃしないわ。


『足腰も弱ってる』だの『義弟嫁と電話で話したら気まずかった』だの『尿が近い』だの『めまいがしてフラフラする』とどうにかして宮城行きをキャンセル出来ないかと必死のパッチだ。
だがしかし、駄菓子菓子だ。そんなことで怯むアタシではない。
認知力が日々低下しているのだ、義母らしさが失われ切ってしまう前に義弟に会わせなければ大きな後悔をする予感満載。
しかも86歳という高齢者だ。来年どころか、半年先の健康も未定。
会うならお互い笑って話せて食べれる時がベスト、しかもこんなご時世だ。


『行ける時に行かんこて!(行かなきゃ!)延ばしたところで歳は若くはならんたいよ(ならないんだよ)』と相手にせず。
だいたい、四年前、孫の結婚式もインフルエンザになったばかりだからと即行宮城行きをドタキャンした過去もあるのだ。
行けるときに息子や孫、ひ孫に会ってもバチは当たらんだろう。


今のところは渋渋、行くことになっているが気を抜くことはならん

宮城で待っ義弟家族、旅行を心待にしているホーチミン


そしてスーパーホリデーを密かに熱望しているアタシのために。


義母さん、頑張ってくれ!