晩夏義父さんが帰ってくる、7回目のお盆いつものように迎え火を焚いて空からの長旅を労いいつものように送り火を焚いてまた空へ昇る義父さんを見送る空へ昇り行く小さな炎が一瞬、風になびき家の方向にたなびいた。あぁ、義父さんが帰る前に後ろを振り返ったんだ…。『…早いね…。父ちゃんが逝ってからもう7回目なんて…』つぶやく義母にチラリと炎が方向を変え、また空に向かって炎の穂先が伸びる毎年のおかえりといってらっしゃいを3人で繰り返し、義父を偲ぶ。3人の静かな夏