今夜は義母さんのバースデー



仕事上がりに、プレゼントと併せて渡す花と



ケーキを買おうとホーチミンと一緒にデパートに向かったが


渋滞する道にホーチミンが瞬ギレ



『こんなに道が混んでたら、時間がメチャクチャかかるじゃないか!!』



三が日にデパートに行くのに混まないわけがなかろうがっむかっむかっむかっ



コイツ、確か去年も三が日に炊飯器を買うことになった時、渋滞に翻弄され機嫌が悪くなり



そのイラツキをアタシにぶつけ最終的にはゲリラ的大落雷を喰らったくせに



あの時の記憶はきっとオホーツク海の先にながされたのだろう。



これが俗に言う、忘却の彼方だ。



だいたい、アタシにとっても大切な義母さんだが、オマヘにとっては何より大切にしなくちゃいけない実母じゃねぇかむかっむかっ



三が日だから普通のケーキ屋や花屋は休みなんだよ、このオタンコナスビ!!



だから渋滞承知でデパートに行くんだろうむかっむかっ



結局アタシが行きたかったデパートはホーチミンが却下して人もまばらなダイエーへ。



花もパッとしないは、ケーキは売り切れてるは、最悪な結果にアタシの表情は



みるみる合間に地獄の一丁目の閻魔の様に!



仕方なくパッとしないアレンジフラワーを買って仁王立ちになっているアタシに


『ケーキは…?』と恐る恐る訊ねるホーチミン



『こんなパッとしない所に連れて来やがってむかっむかっ


ケーキはどこにもナカがっむかっむかっむかっ!』轟くアタシの怒号。



青菜に塩のホーチミン



『じゃ、デパート、行く?』


今さら坂上ジローじゃ!



余計に腹が立ち『今連れて行くぐらいなら、最初から気持ちよく連れて行けよむかっ

タイムロスもエェとこじゃが!


アタシは晩飯の準備もあるんやが、バカタレ!!』



結局、駅のデパ地下のケーキ屋へ行き、人にもまれながらケーキを購入。



帰りついたら、あれだけ片付けてた部屋が無惨な状態に。



一旦、収まりかけてた怒りのマグマが噴き出す。



『なに、散らかしまくっとるんかーーーむかっむかっむかっ



逃げ惑うコロン。肩をすくめてシレー長官ホーチミン。



年末大掃除、捨て忘れた一番大きなゴミはホーチミンだと気付いた新春二日目の夜であった。



おわり