昨日、浪花の三女から送られた姉妹愛のおすそわけを持参しみかちゃんと待ち合わせ。


珍しくホーチミンも後から合流しそろそろホーチミンオンステージしようかと思っていたところ


みかちゃんの奇声が響く。


『あらぁ~!ダイホー!』

ん?ダイホーってあのダイホーか!?


みかちゃんが振り返ったほうをチラリと見ると職場の後輩のダイホーが見えた。


『ダイホー!どうしたよ?一人ね?』


よくよく考えたら賑やか好きのダイホーが、アタシじゃあるまい、一人で飲みに来るわけがない。



『いや、呼吸器の先生やスタッフと12人程です。みかちゃん、店開けれる?』



そうだよな、そりゃそうだ。


一人で飲みに来たなら合流するのもアリだけど



別グループでしかも他部署のドクターやスタッフと研修でもないのにご一緒だなんて


みかちゃんの髭がアタシより薄くなるより、あり得ない。


12人も一気に人がなだれ込めばてんやわんやの忙しさだし


何より何となく知っている人の前じゃ、リラックスもできん。


ホーチミンは歌う気満々だったが


『職員の団体が入るみたいだから今日は帰るが』そう促すとダイホーが


『え?一緒に飲みましょうよ、Nさん!』


そりゃ、ダイホーとダイホーのかみさんや家族ならご一緒するさ。


だけど、あまりいいイメージのない呼吸器のドクターと乾杯なんて、ゴキブリを触るのと同じくらい嫌なこった。


面倒くさそうな表情をしながらアタシは


『いや、飲まない。帰る』

酔ってるダイホーは今一つアタシのオーラを感じなかったのか


『面白い先生ですよ、一緒に飲みましょうよ!』


押せばイケるというのは、アタシの中にはない。


押されなくてもイケるときは行くし、嫌な時はそれ以上ではねつける。


『おもしろかろうが行きたくないし、行かんのじゃむかっむかっ


鋭い声に急に酔いが醒めたか、


『あ、はい。わかりました』とダイホー。



すまんの、ダイホー。



だけど苦虫噛み潰してイライラしながら飲むのは性に合わん。



そんなアタシを見たらみかちゃんは必ずソワソワする。


ダイホーだって楽しめまい。


だから頑固に断固。


不器用なヲンナですまんのう。