なおちゃんが学校を辞め、アタシの心には得体のしれない風穴が空いた。
それまでは、親交のあった、なおちゃんを介しての家政科の不良びた友達との付き合いも一切しなくなった。
廊下で声を掛けられると、『お~!!元気か??』と声を掛け合うことはあったが、校外で遊ぶことはなくなった。
今、考えると、経済的な困窮が学校を続けていく一番のネックだったのかもしれないが
当時のアタシは、かおると、なおちゃんを取り巻いていた家政科の友達が、なおちゃんを追い詰め
学校からはじき出したように思えてならなかった。
だから、とてもじゃないが、なおちゃんがいないのに、その友達たちとつるんで遊ぶのに興味は持てなかった。
そんな中、なおちゃんのいなくなったクラスでのびのびと過ごしているかおるがいると
別な家政科の子から聞かされ、アタシは言いようのない怒りと憎しみの気持ちがわき上がった。
そんなに、なおちゃんのいなくなった学校は過ごしやすいか??!!
お前には、居心地のいい家だって、兄弟だっているだろうに、
なんで、人の彼氏にチョッカイ出して、思うようにならなかったら、なおちゃんをイタぶるようなことを
数カ月も続けた??
なおちゃんが学校辞めたことに、セイセイしているような様子のかおるが腹立たしくてしょうがない。
家政科の友達を一人呼び出し、なおちゃんが学校を辞める原因だったことを説明し
冷たい表情でアタシは言った。
『なおの、カタキ、とるの、手伝ってくれんか・・・!』