セカンドステージ(快コ前提 新一×快斗)
※2012.03.30up『ファーストステージ』のつづきです。
――――――――――――――――――
噂の高校生探偵が突然目の前に現れた。
小さな名探偵の江戸川コナンくんじゃなくって、高校生の工藤新一の姿で。
いつかは――元の姿に戻った工藤とこうして抱き合えたらと漠然と夢見ていたけど、それはもっと先のことだと思っていた。
これからやっと俺と小さな名探偵との甘くてプラトニックな半同棲生活が始まると思って工藤邸にやって来たのに…突然すぎてアタマもココロも付いていかない。
おたおたしてる間にいつの間にかソファーに二人して沈み込んで折り重なっていた。
どきんどきんと激しく響く鼓動が体を打って震わせる。
「だ、だから、工藤、少し待てっての」
「さんざん待ってたんだぜ、この時を……。好きだ、快斗。今夜は放さねー」
真剣な眼差しで真っ赤な顔して俺を見下ろしている工藤がそのまま覆い被さってくる。
(うわわわーっ!)
コナンと工藤は同一人物だ。分かってる。でも。小さかった名探偵が俺と同い年の姿でいるのを見るのは今が初めてだ(俺が自分で変装した工藤は、あくまで俺自身だった)。初めて出逢う相手なんだ。
初めて出逢った工藤は――確かにかっこよかった。かっこよくて突然のこの展開に戸惑うのとは別の次元で――ドキドキしていた。
覚悟を決める時間を稼ごうともがくのだが、そんな躊躇いごと工藤のキスにのみ込まれてしまう。
さっきよりさらに深くて熱い。……痺れる。
「――は、はぁっ……あ!」
僅かに隙をぬって息継ぎするのがやっとだ。目が回る。
天井の明かりが眩しくて、部屋が広すぎて……なにより工藤の求愛が熱烈すぎて気が遠くなる。
イヤでも!!
このまま…この勢いのままリビングのソファーの上で最後までなんて……そりゃマズイ!
玄関鍵かけてねぇとか、汗くさかったらどうしようとか、せせこましーけど気になっちまう。やっぱダメだ!!ダメダメダメ!!!!
「コ、コラ工藤っ、待てっつってんだろが!!」
工藤の髪の毛を掴んで引き剥がした。
「テテ! ばか、ひっぱるな!」
「おめーがセッカチすぎるからだろ! ちゃんと準備させろっての!」
「準備?」
言ってから恥ずかしくなって俺も顔に血が集まった。
「そ……だよ! …初めてなんだぜ。ちゃんと……その、シャワー浴びたりとか……準備しねーと……だよ」
そう言うと、工藤もやっばり赤い顔して頷いた。
「ああ…そっか。うん。だよな。わかった。――逃げんなよ」
体を起こした工藤にジト目でクギを刺されてドキッとする。
「にに逃げねーよ」
「てめ…逃げる気だな」
「逃げねーよ! に、逃げねーけど」
「けど、なんだよ」
「なんつーか……その」
並んで腰掛けて見つめ合う。コナンくんの面影。可愛いけど手厳しくて、でも実は恥ずかしがりの。
思い出そうとして工藤の頬にそっと手を伸ばしてみた。そしたら意外なことに工藤が少しもじもじした。
「……バァローてめー、コナンを思い出してるな」
「いいじゃん。俺、コナンくん…好きだったんだ」
「工藤新一じゃあ、ダメなのかよ」
そう小さく呟いて目を伏せた工藤が、なんか急にカワイク見えた。そりゃそうだ。コナンくんは工藤で、工藤は――俺が好きだったコナンくんなんだから。
「おめーはオレが突然でかくなってビックリなのかもしれねーが、オレの方はずっと……おめーを」
「……」ズキン。心臓がイタイ。
「元に戻って、おめーを抱き締めたかった。ずっと。……コナンの背丈じゃ届かなかったから」
一拍おいたせいで、少し落ち着いて工藤を見詰められた。
コナンだった時の工藤の歯がゆい気持ちを想像してみたら――目の前の工藤新一がコナンくんであったことを、素直に受け容れられる気持ちになれた。
今度は俺から工藤に、チュ、とキスした。コナンくんにしてたのと同じ、短く重ねる〝合図〟のようなキスを。
目を開けて見てみたら、工藤の顔がコナンくんに重なった。
「コナン……工藤」
「キッド。快斗。好きだ」
「キッドはやめろって。怪盗はもうしねえ」
「えっ、本当か」
「の、つもり」
そう〝探し物〟は元々この世に存在しないらしいと――この前の一件でわかったから。
「本当かよ、快斗。じゃあ、オレたちそばにいても大丈夫なんだな」
「うん。へへ。心配かけたな、これまで。これからは名探偵専属のアシスタントさ」
「絶対だぜ……。放さねー、快斗。オレから逃げようとしたって無駄だからな」
「だから逃げねーよ、もう」
どちらともなく、もう一度ソファーに寝っ転がった。今度は穏やかに互いのぬくもりを感じ合うために。
予定は未定。
コナンくんと始めるはずだった半同棲の新生活を、元に戻ったこの工藤新一と俺は送ることになるんだろうか。
ぐい、と腕を掴んで引っ張り起こされた。
「な、なんだよ? 工藤」
「準備。はやく」
「え……は?」
「は、じゃねえ。あんま焦らすなら、もうここで始めるぜ」
げ。げ。げげっ。
一瞬穏やかムードに包まれて、ほんわかこのまま過ごせるかと思ったのは気のせいだった。
肩を掴まれもう一度真っ直ぐに目を見て「逃げんなよ」と念には念のクギをぐさぐさ刺されて、俺はフラフラと立ち上がった。
やっぱ今夜――これから俺はいただかれるのか? 工藤新一に。
もう逃れる口実はない。覚悟を決めるしかない。好きな気持ちに偽りはないのだから――あとはもう、なるようにしか。
このつづきは『サードステージ(R18)』にて。
やっぱそうだよな。このブログ新快だもん。わーってるよ。しつけーな。逃げねーよ!!
20120401
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ハイ、おそまつさまです…(+_+)。
また少々時間をおいて、次こそ二人の〝初夜〟を~(^^;)!!
※2012.03.30up『ファーストステージ』のつづきです。
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噂の高校生探偵が突然目の前に現れた。
小さな名探偵の江戸川コナンくんじゃなくって、高校生の工藤新一の姿で。
いつかは――元の姿に戻った工藤とこうして抱き合えたらと漠然と夢見ていたけど、それはもっと先のことだと思っていた。
これからやっと俺と小さな名探偵との甘くてプラトニックな半同棲生活が始まると思って工藤邸にやって来たのに…突然すぎてアタマもココロも付いていかない。
おたおたしてる間にいつの間にかソファーに二人して沈み込んで折り重なっていた。
どきんどきんと激しく響く鼓動が体を打って震わせる。
「だ、だから、工藤、少し待てっての」
「さんざん待ってたんだぜ、この時を……。好きだ、快斗。今夜は放さねー」
真剣な眼差しで真っ赤な顔して俺を見下ろしている工藤がそのまま覆い被さってくる。
(うわわわーっ!)
コナンと工藤は同一人物だ。分かってる。でも。小さかった名探偵が俺と同い年の姿でいるのを見るのは今が初めてだ(俺が自分で変装した工藤は、あくまで俺自身だった)。初めて出逢う相手なんだ。
初めて出逢った工藤は――確かにかっこよかった。かっこよくて突然のこの展開に戸惑うのとは別の次元で――ドキドキしていた。
覚悟を決める時間を稼ごうともがくのだが、そんな躊躇いごと工藤のキスにのみ込まれてしまう。
さっきよりさらに深くて熱い。……痺れる。
「――は、はぁっ……あ!」
僅かに隙をぬって息継ぎするのがやっとだ。目が回る。
天井の明かりが眩しくて、部屋が広すぎて……なにより工藤の求愛が熱烈すぎて気が遠くなる。
イヤでも!!
このまま…この勢いのままリビングのソファーの上で最後までなんて……そりゃマズイ!
玄関鍵かけてねぇとか、汗くさかったらどうしようとか、せせこましーけど気になっちまう。やっぱダメだ!!ダメダメダメ!!!!
「コ、コラ工藤っ、待てっつってんだろが!!」
工藤の髪の毛を掴んで引き剥がした。
「テテ! ばか、ひっぱるな!」
「おめーがセッカチすぎるからだろ! ちゃんと準備させろっての!」
「準備?」
言ってから恥ずかしくなって俺も顔に血が集まった。
「そ……だよ! …初めてなんだぜ。ちゃんと……その、シャワー浴びたりとか……準備しねーと……だよ」
そう言うと、工藤もやっばり赤い顔して頷いた。
「ああ…そっか。うん。だよな。わかった。――逃げんなよ」
体を起こした工藤にジト目でクギを刺されてドキッとする。
「にに逃げねーよ」
「てめ…逃げる気だな」
「逃げねーよ! に、逃げねーけど」
「けど、なんだよ」
「なんつーか……その」
並んで腰掛けて見つめ合う。コナンくんの面影。可愛いけど手厳しくて、でも実は恥ずかしがりの。
思い出そうとして工藤の頬にそっと手を伸ばしてみた。そしたら意外なことに工藤が少しもじもじした。
「……バァローてめー、コナンを思い出してるな」
「いいじゃん。俺、コナンくん…好きだったんだ」
「工藤新一じゃあ、ダメなのかよ」
そう小さく呟いて目を伏せた工藤が、なんか急にカワイク見えた。そりゃそうだ。コナンくんは工藤で、工藤は――俺が好きだったコナンくんなんだから。
「おめーはオレが突然でかくなってビックリなのかもしれねーが、オレの方はずっと……おめーを」
「……」ズキン。心臓がイタイ。
「元に戻って、おめーを抱き締めたかった。ずっと。……コナンの背丈じゃ届かなかったから」
一拍おいたせいで、少し落ち着いて工藤を見詰められた。
コナンだった時の工藤の歯がゆい気持ちを想像してみたら――目の前の工藤新一がコナンくんであったことを、素直に受け容れられる気持ちになれた。
今度は俺から工藤に、チュ、とキスした。コナンくんにしてたのと同じ、短く重ねる〝合図〟のようなキスを。
目を開けて見てみたら、工藤の顔がコナンくんに重なった。
「コナン……工藤」
「キッド。快斗。好きだ」
「キッドはやめろって。怪盗はもうしねえ」
「えっ、本当か」
「の、つもり」
そう〝探し物〟は元々この世に存在しないらしいと――この前の一件でわかったから。
「本当かよ、快斗。じゃあ、オレたちそばにいても大丈夫なんだな」
「うん。へへ。心配かけたな、これまで。これからは名探偵専属のアシスタントさ」
「絶対だぜ……。放さねー、快斗。オレから逃げようとしたって無駄だからな」
「だから逃げねーよ、もう」
どちらともなく、もう一度ソファーに寝っ転がった。今度は穏やかに互いのぬくもりを感じ合うために。
予定は未定。
コナンくんと始めるはずだった半同棲の新生活を、元に戻ったこの工藤新一と俺は送ることになるんだろうか。
ぐい、と腕を掴んで引っ張り起こされた。
「な、なんだよ? 工藤」
「準備。はやく」
「え……は?」
「は、じゃねえ。あんま焦らすなら、もうここで始めるぜ」
げ。げ。げげっ。
一瞬穏やかムードに包まれて、ほんわかこのまま過ごせるかと思ったのは気のせいだった。
肩を掴まれもう一度真っ直ぐに目を見て「逃げんなよ」と念には念のクギをぐさぐさ刺されて、俺はフラフラと立ち上がった。
やっぱ今夜――これから俺はいただかれるのか? 工藤新一に。
もう逃れる口実はない。覚悟を決めるしかない。好きな気持ちに偽りはないのだから――あとはもう、なるようにしか。
このつづきは『サードステージ(R18)』にて。
やっぱそうだよな。このブログ新快だもん。わーってるよ。しつけーな。逃げねーよ!!
20120401
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ハイ、おそまつさまです…(+_+)。
また少々時間をおいて、次こそ二人の〝初夜〟を~(^^;)!!