*以下引用*
新たな研究によれば「飽和脂肪」や「全脂肪乳製品」は、これまで考えられていたほど健康に悪くはないという結果が出たそうです。
両親から通常の牛乳ではなく、脂肪の旨みを除去した無脂肪乳を飲まされて育ったという皆さん、今なら「普通の牛乳のほうがいいよ!」と説得できる材料があります。
新たな研究によれば、全脂肪の乳製品はこれまで考えられていたほど、「健康への悪影響はない」という可能性を導き出したそうです。つまり、ほとんどの乳脂肪の大部分を占める飽和脂肪は、私たちが今まで注意してきたほど「タブー」ではなさそうだ…ということなのです。
この研究では、成人の男女2907人を22年以上にわたって調査したとのこと。
そこから割り出された結果、血中の乳脂肪レベルが高かった被験者グループと低かった被験者グループで、「死亡率に違いはなかった」という結果を導き出したのです。この話題を取り上げた「アトランティック」誌の中では、研究チームが「脂肪分の多い乳製品を大人になってから食べたとしても、全死亡率(疾病や事故などの死因別ではない全体の死亡率)への大きな影響はない」と記しています。
普通の牛乳が無脂肪乳に比べて、必ずしも健康に悪いわけではない
この研究は、一般的な乳脂肪の摂取について調査を行ってきたもので、被験者が具体的にどの乳製品を食べてきたかについては考慮されていません。
ですが今回の発見では、「普通の牛乳やバター、高脂肪のチーズなどが、無脂肪乳やマーガリン、低脂肪チーズなどに比べて必ずしも健康に悪いわけではない」と述べています。
「今回の発見の重要な点は、『全脂肪乳製品は心臓疾患リスクに悪影響を与える』という、これまでの常識を裏づける証拠が見つからなかった…ということなのです」と、テキサス大学の助教授で今回の研究を率いたマルシア・デ・オリヴェイラ・オットー氏は語っています。
最近の研究では、「飽和脂肪について、必ずしも健康に悪いわけではない」という同様の結論が、いくつか発表されていました。2015年5月の『Advances in Nutrition』による「飽和脂肪酸と循環器系の健康について最新データを用いた調査」では、飽和脂肪酸について最適な栄養素の組み合わせというものは見つからなかったといいます。ただしそこで研究者は、飽和脂肪酸を全面的に排除するのではなく、どの栄養素と置き換えるかのほうが大切だということを指摘したとのことです。
また、2015年の食事ガイドラインのレポートでも、食事に含まれる脂肪の量に関する懸念を否定しています。
そんななか、今回の研究結果の注目度はさらに高まっています。なぜなら、個人の自己報告の食事データによるもの以外で、乳脂肪の人体への影響が評価されたのは今回が初めてだからです。
なお、今回の発見は、『アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション』誌に掲載されています。少なくとも今回の研究は、昨今のアーモンドミルク人気を無視する理由にはなりますね。
さて今宵の夕食は、バターにチーズ、牛乳をたっぷり使ったマカロニチーズ…なんていうのはどうでしょうか? しかしながら、カロリー数は確実に増えるということは忘れずに…。体重がオーバーして肥満に悩む人は、考えたほうがいいでしょう。
(元記事リンク)
https://esquire.jp/lifestyle/health/dairyfat18_0727/