*以下引用*
抗うつ薬は効果がない
2010年1月号の「JAMA」に掲載された研究によると、SSRI系抗うつ薬(Prozac、Paxil、Zoloftなど)には、軽度から中度のうつへの効果を示すエビデンスが得られなかったと結論づけています。研究の結果、抗うつ薬には、偽薬と同等、またはそれ以下の効果しかないことがわかっています。うつ病の62%には抗うつ薬が効きません。
SSRI系抗うつ薬の効果は33%で、効果は砂糖の錠剤と同じですが、暴力傾向や自殺願望、自殺衝動など、副作用は重篤です。2009年神経科学カンファレンスで発表された研究でも同様の報告がなされています。
SSRI系抗うつ薬の重要問題は、副作用として、自己傷害および攻撃性増加のリスクがあることです。SSRI系抗うつ薬のような過剰にメチル化された低葉酸抗うつ剤は耐容性がなく、この遺伝的不耐症が多くの学校銃撃事件の原因となった可能性があるという証拠もあります。
イリノイ州ネイパービルにある非営利団体「Walsh Research Institute」代表であり、30年以上にわたり、行動障害、ADHD、自閉症、うつ、不安、統合失調症、アルツハイマー病患者のための生化学療法を開発し、医師の訓練プログラムを創設して、アメリカ、イギリス、オーストラリア、ノルウェー、日本(臨床分子栄養医学研究会)など世界各国で指導し、「Nutrient Power:Heal Your Biochemistry and Heal Your Brain」の著者でもあるウィリアム・ウォルシュ博士はこの現象を研究している一人です。
ウォルシュ博士は、1990年以降に起きたアメリカ国内の50件の主な学校銃撃事件のうち42件がSSRI系抗うつ薬を服用していた十代の若者たちによって起きたと指摘しています。
(参考:この写真では、脳内の血流が測定されない部分は穴が開いているように見える。暴力傾向のある前頭前野は血流が無いため穴が開いて見える。)抗うつ薬により、うつ症状が一時的な疾患と言うよりは慢性化しはじめているようです。うつ症状のある子供や思春期の若者に抗うつ薬を使うことは明らかに正しい答えではありません。
抗不安薬はよくない
不安障害を持つ人の1/3しか治療を受けず、しかもその「治療」と言われるものの大半は単なる処方薬にすぎないと推定されます。ベンゾジアゼピン系薬などの抗不安薬(Ativan、Xanax、Valiumを含む)は乏しい処置にすぎず、記憶喪失、臀部の骨折、依存症を含む多くの重篤な副作用のリスクを現実にともなっています。
長期的な有効性と安全性が証明されていないにもかかわらず、高齢者の最大43%までが不安や不眠症のためにベンゾジアゼピン系薬を慢性的に使用しています。しかし、これらの薬を飲む人は、飲まない人よりも早死にする確率がほぼ4倍も高く、ガンには35%余計にかかりやすくなっています。
高齢者のベンゾジアゼピン系薬の服用が、認知症リスクを50%高めることも判明しています。
ベンゾジアゼピン系薬は、オピオイド(ヘロイン)やカンナビノイド(大麻)と同じように、γ-アミノ酪酸(GABA)と呼ばれる神経伝達物質の作用を増強することにより、鎮静作用を発揮します。その次に、満足感を得る脳内のホルモンであるドーパミンを活性化させます。
抗不安薬を飲むうちに依存症や肉体的な依存症に陥り、やめることが大きな課題になり、さらに極めてつらくなります。薬をやめた場合に出てくる「ベンゾジアゼピン離脱症状」はパニック、不眠症、異常発汗、嘔吐、脳卒中、筋肉痛…2週間立て続けに発生するその他多くの症状が特徴です。
それより不安を管理するもっとよい方法があると私は考えています。
自閉症、統合失調症、および、産後うつ病に関連する銅過多
銅は、主要な神経伝達物質であるノルエピネフリンの合成において明確な役割を果たしているので、もう1つの重要な微量ミネラルです。二価銅(Cu 2+)は、ドーパミンとノルエピネフリンの比における劇的な要因です。
動物実験では、動物の血中銅量が25%になるまで銅を欠乏させると、ノルエピネフリンとドーパミンの比率が3倍以上変化することが示されています。人間のほとんどは恒常的に銅を制御する能力を持っています。しかし、その能力を持っていない人もいます。
銅の過剰は、産後うつを引き起こすことが多いです。
亜鉛と銅の状態を測定する方法
亜鉛の専門家は基本的に、プラズマ亜鉛が最も正確な測定値を提供することに同意しています。味覚テストにもマイナーな利点がありますが、最も信頼性の低いテストです。
また正確に銅を測定するためには、血清銅が必要です。世界中のほとんどの研究所では、良好な銅アッセイを提供しています。
ウォルシュ博士は、どれくらいのフリーラジカル銅を持っているかを調べることは可能なので、同時にセルロプラスミン試験を行うことも推奨しています。これにより、酸化ストレスのレベルの良い指標が得られます。高感度 C 反応性タンパク質(CRP)試験も、炎症のマーカーとして有用でしょう。
残念なことに、私たち現代人の生活習慣は、加工食品、加工植物油、過剰な炭水化物、過剰なタンパク質などが酸化ストレスを強力に助長します。この種の食事は、ケトンの減少、活性酸素種および二次フリーラジカルの急激な増加を引き起こします。
人工的に作られる電磁場、除草剤グリホサート、農薬、フッ化物で汚染された水および他の毒への曝露は、この問題にのみ加わります。典型的に、銅およびセルロプラスミンのレベルは、一緒に高い値または低い値のいずれかになりがちです。
銅は多すぎても、少なすぎてもよくありません。
精神的健康に関する銅の理想的なレベルは、血清中の1デシリットル(mcg / dL)あたり75〜100μgの範囲内です。理想的なセルロプラスミン量は、銅のレベルに関係します。
セルロプラスミン中の銅の百分率は約85〜90%であるのが理想です。「銅の状態だけでなく、酸化ストレスのレベルについても、本当に良いイメージを持ち、両方同時に改善に取り組むことは本当に素晴らしいことです」とウォルシュ博士は言います。
亜鉛欠乏が凶暴性を生む
反対に、亜鉛は、免疫、細胞の成長と分裂、睡眠、情緒、味覚や臭覚、眼や皮膚の健康、インスリンのコントロール、男性の性機能など、様々な点で身体に重要なミネラルです。
しかし、土壌中のミネラル不足、薬品の作用、穀類の多い食事などにより、現在は、亜鉛が不足している人が多くいます。亜鉛不足により、風邪やインフルエンザにかかりやすい、慢性的な疲れ、うつ、にきび、新生児の低体重、学習障害、子供の成績不良などが起こると言われています。
かつて、ウォルシュ博士は、重金属や統合失調症の研究をしていたニュージャージー精神研究所のカール・ファイファー博士と出会い、貴重な指導を受けました。
ウォルシュ博士は、もともと、アメリカの国立科学技術研究機関としては最初期かつ最大級のアルゴンヌ国立研究所で原子力の研究をしていました。そしてある日、刑務所にいる死刑囚たちを対象としたボランティアプログラムに参加しました。その理由は、凶悪犯罪が多発している地域で殺人事件が起こったことをキッカケに、犯罪者の行動や更生支援に興味が出たからだったそうです。そのプログラムでウォルシュ博士は、死刑が確定した死刑囚とチェスをしたりしました。
ボランティアプログラムに参加したのち、ウォルシュ博士は分子栄養医学の先駆者たちと交流するようになりました。その一人がカール・ファイファー博士でした。
カール・ファイファー博士は1940年代から総合失調症患者に対する生化学的な治療を行っていた人で、総合失調症患者の体にどのような異常があるのかを、生化学的、栄養学的な観点から突き止めて治療に当ってきた先駆者でした。2万人以上の統合失調症患者を調査して、統合失調症患者の生化学タイプ、特徴的な症状と、血液や尿検査との関係についての世界最大のデータベースを構築し、精神医学に多大な貢献をしました。
その頃、カール・ファイファー博士は、カナダのエイブラハム・ホッファー博士とも交流を深めて一緒に研究を進めていました。
エイブラハム・ホッファー博士は、ノーベル賞を2回受賞したライナス・ ポーリング博士が提唱した分子栄養医学をもとにして、統合失調症に対するナイアシン療法を編み出した人で、分子栄養医学を実践している人なら誰もが知っているほど、うつ病や統合失調症の治療の第一人者として有名です。
ウォルシュ博士は、カール・ファイファー博士と共同で、凶悪犯罪や殺人を繰り返し行う乱暴者の犯罪者たちを対象に栄養療法の調査を行いました。
そして判明したのは、乱暴者の犯罪者たちの体の銅、亜鉛、マンガンを含むミネラルのレベルが、一般市民と比べてすべて異常だったという事実でした。
刑務所にいる犯罪者に見られるのは次の点でした。
・銅過剰
・ビタミンB6不足
・亜鉛不足
・メチル/葉酸のアンバランス
・活性酸素負荷
・アミノ酸バランス異常
これらの要素はすべて脳内の神経伝達物質を作るのに直接関係するものです。
ピロール障害は脳疾患によく見られるストレス状態ですが、このピロール障害をもつ人々は、ヘモグロビンの形成などの自然反応の副産物であるピロールを、通常より5〜10倍多く生成することがあります。無害であるが、ピロールは亜鉛を急激に枯渇させます。その結果、ピロール障害をもつ人は、脳機能に重大な影響を及ぼし、記憶および書物を読む能力に影響を及ぼす亜鉛のレベルが例外的に低いことが分かりました。
ウォルシュ博士の研究では、乱暴者の犯罪者は全員が重度の亜鉛欠乏症、ピロール障害、低血圧スペルミンおよび低メチレーション状態にあることが分かりました。悪性の状態が異常に組み合わさっていたのです。
一つには亜鉛の欠乏が異常性を生んだのです。
ウォルシュ博士によると、心身の健康のためには、血漿中の亜鉛の濃度は90〜130 mcg / dL である必要があります。
多くの精神病患者は、もともと、亜鉛の正常化に遺伝的弱点をもちます。彼らは亜鉛が欠乏した状態で生まれ、健全な亜鉛レベルを維持するために一般の健常者よりはるかに多い量を必要とします。また自閉症児も、異常な銅と亜鉛の不均衡を有する傾向があります。
メチレーション異常が幻覚の原因
またメチレーションというのは、一般的には“細胞の中で毎秒何億回も起きている、メチル基(CH3)がある物質から→別の物質へ移るという生化学的反応”ですが、ある研究によると、メチレーションがうまくできない人は通常なら22%ですが、自閉症児の場合は98%もいます。そのため、メチレーションを改善するのが自閉症改善の大きな鍵になります。メチレーション改善の効果は自閉症に限らず、動脈硬化にも、ホルモン代謝異常にも、デトックス治療にもメチレーションは大事です。
カナダのエイブラハム・ホッファー博士は1954年に「メチル基がノルアドレナリンをアドレナリンに変え、それがアドレノクロムに変化する」という仮説を発表しました。ホッファー博士は、統合失調症に出る幻覚の原因は、体内でアドレナリンから変化したアドレノクロムが覚せい剤の様な幻覚を引き起こすためだと考えました。
そこで、ホッファー博士は、メチル基受容体であるナイアシンを大量に用いることで、ノルアドレナリンからアドレノクロムヘの変換過程を遅くすることができれば、統合失調症を改善できると考えました。つまり、ナイアシンを用いて、ノルアドレナリンからアドレナリンヘの変換を抑制することは、アドレナリンの量を減らして、アドレナリンからできる幻覚症状を引き起こすアドレノクロムの量を減らすことになるからです。これが「メチレーション仮説」です。
結果的に、ホッファー博士は、高用量のナイアシンを投与して、さらにほかの栄養素も加えて改良を重ね、生涯で6,000人もの統合失調症患者を回復させて社会復帰させ、精神医学界に画期的な業績を残しました。
さらに、カール・ファィファー博士は「ナイアシンはヒスタミンレベルの低い統合失調患者には効くが、ヒスタミンレベルの低くない人には効果が乏しい」という現象を発見しました。そこで、ファィファー博士は、ヒスタミンレベルの低い、幻覚を見る妄想型の統合失調患者には、葉酸、ビタミンB12、ナイアシン、亜鉛などの栄養素を用いて、反対にヒスタミンレベルの高い、被害妄想や緊張症の患者には、メチオニン、カルシウム、あるいは抗ヒスタミン薬を用いて治療しました。つまり、ファイファー博士は、低メチレーション体質と高メチレーション体質とで、用いる栄養素を使い分けることで治療しました。
ファイファー博士の後を継いだウォルシュ博士は、葉酸はメチレーションに重要な栄養素なので、普通なら葉酸を投与すればメチレーションがよくなるのに-そのため、自閉症児の親は葉酸サプリメントをよく投与したりしますが-なぜか「低メチレーション状態のうつ病患者に葉酸を投与すると具合が悪くなる」という現象を発見しました-自閉症児も、葉酸サプリメントを投与すると、よく具合が悪くなる子がいます。
研究の末、ウォルシュ博士は1994年に「精神疾患においては、メチレーションを促進するのはメチオニンであって、逆に葉酸はメチレーションを抑制する」という仮説を発表し、2009年に、この仮説はアメリカ国立衛生研究所(NIH)などによって証明されました。
(一部加筆)
(元記事リンク)
(補足)
👩🏻⚕️日本人の食事摂取基準では、亜鉛の1日の摂取の推奨量は18~69歳の男性で10mg、70歳以上の男性で9mg、18~69歳の女性で8mg、70歳以上男性で7mgとなっています。耐容上限量は18~29歳の男性で40mg、30~69歳の男性で45mg、70歳以上の男性で40mg、18歳以上の女性で35mgと設定されています。銅の1日の摂取の推奨量は、18~29歳の男性0.9mg、30~49歳の男性1.0mg、50歳以上の男性で0.9mg、18~69歳の女性で0.8mg、70歳以上の女性で0.7mgと設定されています。耐容上限量は18歳以上の男女とも10mgです。ただし、遺伝的異常がある場合はこの限りではありません。
👴🏻ちなみに、うつ病の原因は遺伝ではないようだな。ここに書いてあるぞ。
http://bunshun.jp/articles/-/6933
👩🏻⚕️遺伝的特質は、もともと、ただの体質ですからね。そこからはじまる後天的な栄養素の欠損のほうが大きいでしょうね。
👷🏻あと、ヒ素や水銀、鉛、カドミウムの重金属の体内汚染の排毒も大事だと思うな…。
🙇🏻♀️日本人は、わかめやひじきとか、海草をよく食べるから、ヒ素毒が多いんですよね〜…。
🙎🏻♂️日本人は魚貝類を食べているから水銀も多いよ。
👴🏻ヒ素はメチレーションに悪影響するらしいぞ。ここにも書いてあるぞ。
http://blog.livedoor.jp/autismrecovery/archives/7324786.html
👱🏼海草、とくに、ひじきにはたくさん含まれている無機ヒ素が体内でメチル化してできるジメチルヒ素は、酸化ストレスを生じさせ、発ガンにもつながる。
👩🏻⚕️海草に含まれる有害な無機ヒ素含有量は次の通りですが、
ひじき 77mg
あらめ 0.3mg未満
わかめ 0.3mg未満
こんぶ 0.3mg未満
のり 0.3mg未満
(乾燥品を水で戻した場合)
ひじき 11mg
あらめ 0.01mg未満
わかめ 0.01mg未満
こんぶ 0.01mg未満
ひじきは、他の海草に比べて水で戻したとしても無機ヒ素を多く摂取することになるので、2004年7月にイギリス食品規格庁は「ひじきは無機ヒ素を多く含むため食べないように」という勧告を出しましたね。
👩🏻🍳カナダと香港も、ひじきはあえて食べないように勧告を出しましたよ。
👩🏻⚕️無機ヒ素を少量でも摂り続けると、次のような障害が出ます。また発ガン性や催奇形性があることも知られています。
神経障害-毛足の感覚異常や脱力感
皮膚障害-皮膚の黒変や角化
肝臓障害-黄疸、肝硬変
FAO/WHO合同食品添加物専門家委員会(JECFA)は無機ヒ素について、暫定耐容週間摂取量(PTWI)を0.015mg/kg体重/1weekと設定しています。PTWIというのは、一生涯摂り続けても影響が現われない、一週間あたりの耐容摂取量です。
👱🏼それもそうだが、アメリカの脳障害の専門家で精神科医のダニエル・G・エイメン博士いわく、 ヒ素中毒になると脳の前頭前皮質が損傷して、ADD(注意欠陥障害)になるんだよ。それもよくない。
👷🏻アララ…。