(参考ヨガ)


(B-Life)



ヨガの様々なポーズで全身の健康が改善するとは思ってもいなかったことかもしれません。しかし、ヨガは、全身の主要な筋肉を鍛え、わずか数週間でその差が見た目に現われるほど効果があるとする研究報告があります。


簡単なヨガの動作で、バランス、柔軟性が向上するだけでなく、情緒面にも良い効果があるというのです。ヨガの動作は、それぞれの体力に応じたものに調整が可能で、人それぞれの運動に対する捉え方や求める外見などに対応できます。


毎日、もしくは週3回で、ゆっくりですが確実に、体力、柔軟性が増し、日に日に外見も変わっていくのがわかることでしょう。特殊な道具も必要ありません。数平米のスペースとマットが必要ですが、それを今始めない理由にはしないでくださいね。道具は後でもかまいません。


日頃の運動に追加するならヨガがいいのはなぜ?


ヨガの良いところは、負担が少ない点です。骨を傷つけることがまずありません。ストレス解消効果も優れています。


Men’s Fitnessでは、時に身の回りの電子機器の電源を切って自分を解放することがストレス解消につながると述べていますが、ヨガにも同じ効果があるのです。Rock Your Yogaの司会、Sadie Nardini氏は次のように語っています。


「肉体のトレーニングになるだけでなく、ヨガは心を鍛え、さらに上を目指すことを、恐れる事なく一心に進む行動力を生み出します。Charlie SheenよりJames Bondを目指すなら、今すぐマットを手に入れましょう。


さらに柔軟性を増すには、ヨガの第一人者でアーユルヴェーダプラクティショナーのCameron Alborizan氏が次の様にアドバイスしています。「体は、汚いシンクの水を吸ったスポンジです。やさしくねじると 毒を絞り出すことができます。


同時に、心臓病のリスクも低減します。これは、Harvard School of Public Health(ハーバード公衆衛生大学院、HSPH)とオランダの放射線医学省の共同研究でわかりました。


詳細な研究で、ヨガを習慣にしている人は、 Body Mass Index(BMI) や体重、収縮期/拡張期血圧、中性脂肪や心拍数が改善することがわかりました。事実、研究者の所見によると、 ヨガの効果と、他の種類の 運動では効果に差がなかったそうです。


ヨガは慢性の痛み、疲労、肥満を解消し、プラクティショナーは平均2.5 kg体重減少する事が研究でわかっています。過敏性大腸症候群(IBS)、喘息などの症状を和らげるとも言われています。


Men’s Fitnessではその他のヨガの効果も紹介しています。トレーニング中やスポーツ中の怪我の減少、 性生活での持久力アップ、ポーズにも寄りますが、筋肉が鍛えられて際立ってくるなどがあります。さらに、毒素を排出できることも健康に良い要素です。これはいつでもプラスになります。


ヨガによる脳の変化


聞き間違いではありません。ストレス、うつ、不安を和らげる他、ヨガは脳の状態を良くする事も知られています。


2015年に、ある研究で、ヨガを習慣にしている人の脳をMRI検査し、加齢による灰白質の差を検証しました。The Huffington Postは次の様に報じています。


「瞑想には、加齢による灰白質の減少から脳を保護する効果があります。ヨガの経験が長い人ほど、脳の体積は実年齢よりもずっと若い人と同等の量でした。つまり、ヨガは、加齢による脳の萎縮を防ぐ効果があるのです。」


左脳には、脳の灰白質を守り、灰白質を増加させる働きがあります。また、楽しさ、幸福感などの、 プラスの感情を感じとる側でもあります。


左脳は副交感神経系に直接つながっています。「休息と消化」のネットワークと称され、体をリラックスさせる効果があります。


脳と身体のつながりは、心理学者が考える脳の機能の予測にとどまらず、生理学的なつながりは、瞑想を習慣にしている人の脳のPETスキャン(X線断層写真撮影)や脳画像診断にも現われています。The Huffington Postはさらに次の様に報じています。


「瞑想を習慣にしている50歳の人の脳では、灰白質が25歳の人と同等の量である部位が見られる。このような脳の変化は数ヶ月で確認できるものである。ある研究では、マインドフルネスに基づいたストレス減少プログラムをはじめてわずか8週間で脳の変化が確認されている。…


学習、記憶、認知、感情の制御をつかさどる部位に増加が見られた。反対に、恐怖、不安、ストレスをつかさどる部位は縮小していた。」


同様のテーマで研究している他の研究者によって、マインドフルネスに基づいた ストレス減少 プログラムをはじめてわずか8週間で神経にも変化があることが確認されている。


具体的には、16人の被験者(17人のコントロール群)を対象に、マインドフルネスに基づいたストレス減少プログラム(MBSR)に関する情報を全く与えずに、プログラムの前後にMRI検査を実施し、結果を比較しました。


16人の被験者では、左海馬の灰白質の増加が見られただけでなく、科学者達は、検査結果から、被験者に様々な病状の改善が見られたことが確認されています。 Psychiatry Researchジャーナルでは次の様に述べられています。


「この結果から、MBSRを実践することで、学習、記憶の処理、感情の制御、自己関連付けの処理、視点取得に関係している脳の部位の灰白質に変化が見られることを示唆しています。」


ヨガで心を元気に


ヨガは、脳に変化をもたらし、気持ちの面にも変化にも直接関係していますが、この2点は個別の事象です。Men’s Fitnessは次の様に述べています。


「厳しいスケジュールに追われる毎日で、ヨガクラスのリラックスできる空間は、リラックスしてしっかり呼吸ができる唯一の場所かもしれません。


Radiance Yogaの代表Scott Rodwin氏は説明しています。プラーナヤーマと呼ばれる呼吸のエクササイズは数千年かけて培われてきた方法で、あふれ出て来る思考を落ち着かせる効果があります。


この呼吸法で、ヨガのポーズでの集中力が増し、呼吸によって得られた落ち着いた気持ちが一日中持続します。」


ヨガの効能は想像がつかない所にも現われます。次のような効果が出るまでに時間はかかりません。


寝付きが良くなる 。精神面が興奮して思考を止めることができない事で悪化した慢性の不眠症がヨガで改善したという研究報告もあります。


脳機能の向上。ハタヨガを20分おこなうと、同等の時間有酸素運動をした場合より頭の回転が速く正確になり、ストレス軽減効果もあります。



偏頭痛を和らげる。ヨガの効能を調べる研究に参加した72人の患者で、ヨガをはじめて3ヶ月で偏頭痛の回数や痛みの強さが軽減しました。


その他の諸症状の緩和。ヨガには、γ−アミノ酪酸(GABA)などの物質を増加させる作用があり、慢性病、てんかん、うつ、不安、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの症状を改善させます。


The Huffington Postは、ヨガを始めた人が、ヨガを深く知るに連れ、継続する理由が変わってくると述べています。


「ヨガの生徒の2/3、ヨガの講師の85%に、ヨガを実践する理由の変化が見られました。多くの人が、精神性や自己実現、可能性を満たすなどの理由に変わっているのです。ヨガは、自己内省や、親切心、自己理解、さらなる成長、自己認識などを高めます。


あるヨギーは「ハートを変えることができますが血圧だけの話ではありません。」と話しています。


2分間ヨガルーティン


子どものポーズ

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膝を少し開いて正座をします。腕を前方に伸ばし体を前傾させて手のひらをマットにつけます。リラックスして、背面をストレッチします。ゆっくりと深く呼吸して ください。鼻から吸って鼻から吐きます。これを5回繰り返します。体を起こして四つん這いになります。手のひらはマットのについて、肩の真下に、膝は床についた状態で次の姿勢に備えます。


猫と牛のポーズ

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股関節と背面をほぐします。猫のポーズは、背中を丸めていき天井に向かって上げていきます。尾骨は床に向けて巻き込み、あごも胸に引きつけます。牛のポーズは、頭をゆっくりと持ち上げて腹部をマットに向けて下ろし、ウエストの部分で弓なりに反らします。それぞれの姿勢で5回呼吸してください。。


下向きの犬のポーズ

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ダウンドッグ。床に四つん這いからスタートします。両足のつま先を立てて、息をゆっくり吐きながら膝を持ち上げていきます。股関節が一番高いポイントになります。腕と伸ばして身体全体でV字の逆さまの形になります。(何度か経験済みの人は、Vの角度を鋭角にしてみてください。)ゆっくりと踵をマットにつけます。5回深呼吸してください。


立位前屈

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手のひらをマットについて、少しずつ膝を曲げます。 踵をマットから離して足を手の方に進めていきます。膝は曲げたままでかまいません(慣れたらできるだけ真っ直ぐに保ちましょう)。腕はリラックスさせて膝に置いてもかまいません。体は曲げたままです。その姿勢で5回呼吸してください。


戦士のポーズⅡ

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両足を揃えて立ち、大きく横に開きます。左足を左60度方向に向け、右足を90度右に向けます。前を向いて、股関節と肩は真っ直ぐに保ち、手のひらを下に向けて腕を肩の高さまで上げます。


左膝を曲げて股関節と体幹のバランスを保ちながら、右脚を伸ばしていきます。左手の方に顔を向けます。その姿勢で5回呼吸してください。右脚を曲げるときは、約60度反対の方向に足の向きを変えてください。膝を曲げて最後に呼吸します。


山のポーズ

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すべてのポーズの最後におこないます。リラックスして腕は体の横に下ろし、さらに5回呼吸してください。


裸足で、体を締め付けない身軽な服装が良いです。ヨガマットかカーペットの上などが適しています。カーペットの埃には注意してください。


つま先に触れないと心臓リスクを意味する


American Journal of Physiology(生理学の専門誌)に掲載された研究によると、座った姿勢(足を床の上に着けて座っている状態)で手を伸ばしてつま先に触れることができなければ、動脈が硬化しており、心臓発作または脳卒中のリスクが増大している可能性があります。


この研究で、被験者の柔軟性のスコアが、血圧、心肺持久力その他の心臓の健康の他の評価基準と相関することが分かりました。


体が硬いなら動脈が硬くなっている徴で、研究によるとヨガなどを練習すると体を柔らかくしたり、さらに心臓の健康に役立つようです。


「研究結果から読み取れることとして、体の柔軟性を改善すると中高年以上の加齢に伴う動脈硬化を是正することができます。新たな推奨項目としてストレッチ、ヨガ、ピラテスなどの柔軟性のための運動が、規則正しい運動による心臓血管にメリットがあると思っています。」


5つのヨガ姿勢でつま先に触れるようになる


座った姿勢でつま先(またはさらに体を曲げる)に届かないことがわかったら、CNN向けにRadius Yoga Conditioning(ラジウスヨガコンディショニング)を開発したダナ・サンタスさんが言うような以下のヨガ姿勢が役立ちます。 


ラグドール

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「腰の幅に足を広げて立ち、前へ体を折るときに息を吐き、腰から上体をぶら下げる感じにします。背中の下部から引き下げる感じではありません。両手で反対の肘をつかんで、頭をリラックスしてぶら下げます。


足全体に(かかとだけにではなく)体重を均等に掛け、四頭筋(大腿部の前の筋肉)で両足を伸ばします。


四頭筋に力を入れると膝腱がリラックスします。体の奥の方の筋肉も使うようにするとこのストレッチを行っている間に背中下部がリラックスします。この姿勢で10回深呼吸します。」


ヨガ式スクワット

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「両腕は肩の高さで前に伸ばして両足と膝をヒップの幅に揃えて立つことから始めます。膝を開いたり踵を浮かさずにできる限り低く座る姿勢へと、体を下げながら息を吐きます。そのしゃがんだ姿勢で3回深呼吸します。また立ちあがってからこの動作を3回反復します。」


ニーリング・ランジ

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「臀部の屈筋が硬いと前へかがめなくなる骨盤の歪みにつながります。ニーリング・ランジはこれを解すために最適な姿勢です。まず膝を折って基本的なランジの姿勢を取ります。


両手を太腿の上に置いて息を吐き、腰を下ろしていきます。ヒップを前へ押し出す感じを維持してください。ヒップの屈筋をもっと伸ばすように腰全体を使ってください。この姿勢で片側ずつ5回深呼吸します。」


ピラミッド

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「ピラミッド は正しく行えば、骨盤を正しく揃えつつ膝腱を伸ばします。つま先を少し前へ角度がつく程度に片脚を40~55cmほど後ろへ引きます。両脚は真っ直ぐなままで、ヒップから前へ体をぶらさげるように曲げ、両手は前側の脚にできる限り低く当てますが、このとき背中を丸くしないでください。


正しい骨盤のバランスを取るには前になる側のヒップを後ろへ引き、後ろになる側のヒップを前へ押しだします。四頭筋を使い、両脚を真っ直ぐに維持し、膝腱を伸ばします。この姿勢で片側ずつ5回深呼吸します。」


バラサナ

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「このポーズは背中下部の伸筋を伸ばし、骨盤の前への傾きを矯正するための休んだ姿勢です。ひざまづいて、息を吐きながら両腕を前へ伸ばして生き、ヒップを踵の方へ押し戻します。おでこを床かブロックの上に当てます。この姿勢で5回深呼吸します。」


ヨガと瞑想


ヨガがこれほどメリットのあるものであるのは心と体ともに同時にメリットがあるからです。ヨガは神経伝達物質によい影響を与え、セロトニンの分泌を促すので、抗鬱効果や精神療法として心に同様の効果があることを研究が示しています。


デューク大学の研究者が、近年、心の健康に対するヨガの効果について考察している100以上の研究への評論を発行しました。デューク大学のメディカルセンターの精神医学と医学の教授である、P. Murali Doraiswamy博士は、Time誌で以下のように語りました。


「ほとんどの個人がヨガが何かしらの鎮静効果を生むことをすでに知っています。個々では、人は身体運動をした後は気分が良くなります。精神的には、気分が落ち着き、すっきりして、満足感があることでしょう。個々の人たちが認めた利点が精神疾患の人に役立てるために使えるかという十分な証拠があるかどうかを見る時が来ました。」


これらの所見によると、ヨガは、また、炎症、酸化ストレス、血液脂質および増殖因子のレベルを低減すること、さらに、次の異常からの改善効果があることも分かっています。


軽症うつ病

睡眠障害

統合失調症(薬物治療を受けている患者の場合)

ADHD(注意欠陥多動障害)


運動は、うつ症状を緩和するだけでなく、再発の防止にもなると思われます。例えば、1990年代後半にデューク大学で実施されたある研究では、うつ病患者を3つのグループに分けました。


運動のみで治療するグループ

運動と抗うつ剤で治療するグループ

抗うつ剤のみで治療するグループ


6週間後、抗うつ剤のみのグループはその他の2つのグループよりわずかに良くなりました。しかしながら、10か月後の事後点検で、一番緩解および良好率が高かったのは、運動のみのグループでした。別の調査では、軽度から中程度のうつ病と診断された20歳から45歳の80人の成人が参加したもので、研究者は運動単独で状態の治療および所見について検討しています。


低強度の運動を、週に3日から5日行った人は、症状が30パーセント低減しました。

ストレッチ柔軟性運動を、1週間に3日、15分から20分行った参加者は、平均して29パーセント低下していました。


さらにヨガは、エネルギー摂取とエネルギー消費の調節以外にも心房性細動(鼓動の異常)を調節することでも主な役割を果たすホルモン、レプチンにメリットがあることが実証されています。別の研究では、ヨガが慢性的な背中下部の痛み、不安、高血圧の改善に役立つほか、機能性(歩行や運動能力)の改善にもよいことが実証されています。



(元記事リンク)

http://japanese.mercola.com/sites/articles/archive/2016/11/10/%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%83%A8%E3%82%AB%E3%81%AE%E5%8B%95%E4%BD%9C.aspx


http://japanese.mercola.com/sites/articles/archive/2017/09/29/%E3%83%A8%E3%82%AB-%E5%A7%BF%E5%8B%A2.aspx


http://japanese.mercola.com/sites/articles/archive/2016/03/25/%E3%83%A8%E3%82%AB-%E5%88%A9%E7%82%B9.aspx