第一次世界大戦のドイツには毒ガス砲弾もあった。
後ろで指差しているのが、世界で初めて毒ガスを発明したフリッツ・ハーバーだ。
口径105mmの砲弾。(ドイツ語のみ)
通常の榴弾の中をくり抜いて、空洞の中にマスタードガスを詰めている。内部が高圧になっているため、穴があくと、外に毒ガスが噴き出す。
第一次世界大戦の実物。
現在もまだヨーロッパで、100年前の大戦の残った砲弾が地中から発見される。長い年月、地中に埋まっていたため表面がデコボコになっている。
ドイツは、この大砲をたくさん持っていた。
大砲の砲弾は、このように山なりに飛んで行く。
マスタードガスは、本来は無色透明だが、異物と混ざって、よく黄色や黄土色の煙になる。
色が黄色くなって、しかも、カラシのマスタードやニンニクの臭いがするからマスタードガスと呼ばれたんだよ。
煙が流れてくると…
マスタードガスは遅効性で、吸っても最初は気づかない。ゴムも浸透して通り抜ける。だから、毒ガスに気づかないで、いつのまにか全員死んだ。
イギリスの病院。被害者が送還されてきた。
マスタードガスを研究するためにイギリスに移送された。
マスタードガスは、糜爛(びらん)剤のため皮膚がこうなる。
毒ガスの使用は、もともと、1899年に制定された「ハーグ陸戦条約」違反。23条1項で「毒、または毒を施した兵器の使用」を禁止していた。しかし、第一次世界大戦中は各国が条約違反をした。
マスタードガスは、1925年の「ジュネーブ議定書」で使用禁止になった。