あ、最前線の方で変な煙が上がっている。

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毒ガス攻撃かもな。風向きに気をつけないとダメだ。マスタードガスだったら大騒ぎだよ。

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はじめは高圧ガスタンクから放出したんだ。
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ドイツの塹壕には、毒ガスのパイプがこんなにあった。
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風上から一斉放出した。

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風下にガスが流れてくるようにな。
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被害は凄かったよ。はじめに使った塩素ガスは、今の警察が暴動鎮圧用に使用する催涙ガスと同様に、目の粘膜がやられて見えなくなる。呼吸器官もやられて息苦しくなる。高濃度になると、塩素毒で全身痙攣して死ぬよ。


なお、催涙ガスはCSガス、人体には無害。塩素ガスは致死ガス。別のもの。

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第一次世界大戦開戦直後の19148月、フランスが西部戦線で、侵略してきたドイツに対して、ブロモ酢酸エステル(臭化キシリルだったという説もある)を放出した。これが第一次世界大戦の最初の毒ガス攻撃である。ブロモ酢酸エステルは、現在の分類では催涙剤に分類されているが、毒性は塩素ガスより強い。
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フランスは、侵略してきたドイツに、毒ガスを詰めた手榴弾を投げたんだよ。それが最初の毒ガス攻撃だ。


1915131日、東部戦線のポーランド中央部のボリムフで起きた「ボリムフの戦い」の初日、ドイツがロシアに対して、初めての大規模な毒ガス攻撃を行った。


そして、1915422日に西部戦線のベルギー西部のイーペルで、ドイツが、フランスとアルジェリア、イギリスなどの連合軍に対して、初めて塩素ガスを使用した。ドイツの陣地から5700本の高圧ガスボンベに詰められた150300トンの黄緑色の塩素ガスが風下に放出され、風下の連合軍は狼狽して散り散りに逃げた。この日たった一日で連合軍の兵士5,000人が死んだという話もある。


西部戦線のイーペルの戦いは3回あった。初めて毒ガスが使われたのは1915年の「第二次イーペルの戦い」。ドイツが陣地から風下に黄緑色の塩素ガスを放出した。窒息状態に陥った連合軍はパニック状態に陥り、6キロに渡って連合軍の最前線は崩壊した。

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19154月~5月には、このイーペルで人類史上最大の毒ガスが使われ、約5,000人の兵士が数分以内に死んだと言われる。

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この出来事が世界中にニュースで広まり、各国は急ぎガスマスクを開発した。

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そこで、イギリスも同じ19159月に塩素ガスを使用した。すると、同じ191512月にドイツがホスゲンガスを使用し始め、対抗してイギリスは、塩素とホスゲンの混合物のジホスゲンを使うようになった。フランスは独自にシアン化水素ガスの実験をはじめ、イギリスも最強の致死性ガスの開発をめざして、既知の化学物質15万種類の実験を急いだ。


毒ガスの使用は1918年まで続いた。毒ガス攻撃では、東部戦線のロシアが最も大きな被害を受けた。

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第一次世界大戦中の各国の塹壕には、高圧ガスタンクがいっぱいあった。

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こんなに。