バンコクの夜の過ごし方

まだバンコクの熱が体に残っている今。ふとバンコクの夜を想います。


日本に帰国して山奥にある実家に帰ってくると、昨日まで寝起きしていたバンコクの喧騒が耳にこびりついているのを感じます。


昨日まではノイズと思っていた音を、探している自分の耳に気がつきました。


体から熱が抜けていった後、慣れ親しんだ新しい音も耳に入ってくるのだと思うと、明日の朝が待ち遠しくてしかたがありません。


毎日が変化しているのを実感できるのを幸せだなと感じます。


写真は、ちょうど今頃もりあがっている、僕のよく行く馴染みの店「OOZEBAR」です。


道路わきに椅子とテーブル、スピーカーにDJブースを置いただけのこの露天バーは、いつも沢山の人で賑わっているんですよ。


このバーがあるのは、バックパッカーの集う場所として有名なカオサンロードの裏通りです。


4年前に初めてここを見つけたときは???と思いました。


だって、10人座れば満席の小さな露天バーが異常な盛り上がりを見せていたのだから。


座りきれないお客さんがビール瓶片手にアスファルトの道路を蹴って踊っていました。


座っていたお客さんも盛り上がり、立ち上がっては踊りだします。


道行く人も、しばし立ち止まって踊ってはまた道を行きます。



「なんだ??ここは??」



面白かったので僕も踊りました。


このOOZEBARのボス、ジャッキーはニコニコと踊る人たちを眺めては、手元のミキサーに真剣な眼差しを落とします。


僕が「毎晩こんなに盛り上がってんの?」と訊くとジャッキーは、尻上がりな優しいタイ人の口調でこういいました。



FULL POWER~!」



以来、僕はバンコクに来るたびにこのバーに足を運びます。


今晩もバンコクのOOZEBARはフレッシュな旅行者たちで賑わっているのでしょう。


思い出すと、自然にアゴがたてに揺れる。


バンコクの喧騒と絡み合うOOZEBARの音も、耳にこびりついているようです。