　コメントで頂いた皆様の読みの深さにビックリしましたがビンゴです

おばさんとゴン太はどうしても相性が良くなくて、努力しても慣れてくれないゴン太を見ると、ノイローゼになりそうだから母に貰って欲しいとおばさんに泣き付かれて断われなかったと後々に母から聞きました。

冷蔵庫の裏からゴン太を見つけてから母は、リードも外し変わりに鈴の付いた首輪をし、後はゴン太の自由にさせて生活をさせました。

ゴン太は、キャットフードや猫缶を食べない子で食事が落ち着きませんでした。

そんなゴン太に、母は生の新鮮な豆アジやワカサギを毎日毎日スーパーで探してきて与えたり、牛乳は必ず一度温めてから出していた。

私がロンに手作りご飯を作っていたのは、やはりこんな母の姿を見ていたからだと思います。

ゴン太は野性味を忘れない猫で狩りの名猫。

ある日、学校から帰ると私の部屋が鳩の羽根だらけだったり、ネズミや雀が死んでいたり、一番困ったのはゴキブリをとってきて楽しそうに遊んでいた時でした

でも、そんなゴン太を祖母から「あれが猫の本能だから怒ったらけして駄目よ、うんと褒めてあげなさい」と教えて貰ったので、家族でゴン太を「偉い!偉い！」と沢山沢山褒めてあげると、自慢の長い尻尾をパタパタと靡かせて得意気な顔をする

ゴン太は、他の猫と喧嘩をしてきて大怪我をして帰ってくる事もよくあり、その看病は私の役目でした。

ある時は息も絶え絶えで、覚悟したほうが良いと思うような酷い怪我をしても獣医さんに連れて行けるようなゴン太ではなく、私が寝ないで泣きながら傷だらけのゴン太を抱きしめて看病をしました。

宇津救命丸とクロレラ、膿出しの塗り薬とオロナインがゴン太の薬でした。

家族意外には触れさせる事もさせなかったゴン太でしたが、私が夜中に凄い金縛りに会い怖い思いをしている時に、助けてくれたゴン太。

金魚の水槽に手を突っ込んで、金魚味の水をペロペロするのが大好きだったゴン太。

朝、私が会社に行く時に、自転車の後を追い掛けて途中までお見送りをしてくれたゴン太。

何時に帰っても必ず玄関で迎えてくれて、毎晩一緒に寝ていたゴン太。

お節の田作りをストーブで煎るのが私の仕事だったから、煎り始めるとどこからか現れ私の足元に座っておこぼれを待つゴン太。

他人には可愛げのない猫でも、私達家族には世界一の可愛いい家族猫でした。

そんなゴン太が、いつものように朝散歩に出掛けてそれっきり戻らないと母から電話を貰ったのは、私が一人暮らしを始めて暫くしてから。

「きっと、ゴン太は私達には亡くなる姿を見せたくなくて、一人で猫の墓場に行ったのよ」と電話口で泣く私に母は涙声で言いました。

最期の最期まで格好良いゴン太。

前の日も、母がお買い物から帰ってきたら豆アジを貰い美味しそうに食べていて、変わりは無かったそうです。

だから私達家族は、ゴン太との思い出は楽しい思い出しかありません。

沢山の保護猫が居る中で、ゴン太がおばさんと相性が悪かったのも三毛猫の仔猫を貰う話が出ていたタイミングだったのも、きっとゴン太が家の次男になる布石で、運命の子だったと思います。

ゴン太が顔を手で繕う時に、耳にその手が当たると、家族で「耳越せ！耳越せ！」と合言葉のようにゴン太にかけていました。

猫が毛づくろいをする時に、その手が耳を越すと明日は雨が降ると教えて貰いました。

本当に雨が降るなんて途中からはどうでもよくて、あのゴン太の仕草が可愛らしくて皆大好きだったんです。

人でも動物でも、不思議な力で引き合う運命や縁ってあるんだと私は信じています。

長男の白黒、次男のゴン太、三男のロン

皆、神様からのプレゼント。

初めての猫との暮らしは波乱の幕開けでしたが、ゴン太と暮らした１１年間は色褪せる事がありません。

それはこれからも変わる事はないと思う私です。

最後までゴン太の物語とお付き合い、有難うございました。

ありがとうニャ～

おばさんと猫２