7月17日、BS12で映画「息子」が放送されてました。興味があったので早速みました。
監督 山田洋次
俳優 三國連太郎 永瀬正敏 和久井映見
1991年松竹映画 121分
内容(MIHOシネマより抜粋)
「哲夫は、あちこちのアルバイトを転々としながら一人暮らしの生活をしている。ある日、父親から母親の一周忌の連絡が来る。実家は岩手だが、すぐに戻るようにと言われて旅立つことにした。
着の身着のまま到着した哲夫は、派手なアロハシャツで法事に列席。親戚からジロジロ見られ、白いシャツはなかったのか?と言われる。
長男の忠司は親戚から、父親をどうするのか聞かれる。まだ若いとは言え、一人暮らしでは何が起こるかわからない。一人暮らしをしていてうっかり丸焼きになった人もいるのよ、と言われて千葉のマンションに呼んでもいいが…と言い出す。
長男夫婦が実家から帰る道、玲子は長男の嫁になんかなるんじゃなかったと愚痴をこぼす。忠司は何も言わずにそれを黙って聞いていた。
次男の哲夫は、親父に今はフードサービスをしていると話す。こんなところで農家をやるよりも楽で儲かると笑う哲夫に、ならば都会で金持ちにでも何でもなるがいいと叱責する父・昭男。学歴にコンプレックスのある次男に対して、長男は大企業で苦労しているのだと話した。
東京に戻った哲夫は、肉体労働のアルバイトを始めた。若い哲夫を見たバイト先の労働者たちは、コーヒーを運ぶのとはわけが違うと忠告するが、これをやりたいんだと言う哲夫。同行している運転手のタキさんも、いつも文句ばかりを言っていた。
タキさんが横で文句を言い続けていても、哲夫の耳には入っていなかった。納品先の桜製作所にいる女の子に夢中だったからだ。哲夫の会社の労働者たちは、哲夫がすぐにやめるかどうかで賭けをする。
桜製作所の女の子に話しかける哲夫。一人で寂しくないですか?と聞くが、女の子は笑顔で首を振る。名前を聞いたが、返事は返ってこなかった。
哲夫は働きぶりを評価され、臨時社員にならないかと提案される。条件をのんだ哲夫に、給料も出たし、飲みに行こうと社員たちが誘ってくれた。
気持ちを上手く伝えられそうになかった哲夫は、女の子に手紙を書く。自分のことを話したいし、あなたのことも聞きたいと綴ったものの、渡すタイミングが掴めず、あとをつけていく。かなり遠くまでついてきたものの、うっかり尾行がばれてしまった。何で何も喋ってくれないのか?と苦しい心の内を伝えると、手紙を渡す。今度返事を聞くから、と言って走り去った。
仕事で桜製作所に来ると、「川島さんに手紙を渡したでしょ?あの子、耳が聞こえないから喋れないのよ」という事実を教えられる。タキさんの家に見舞いに行くと、惚れた女が聾唖なのはもったいないと言われるが、だからどうだっていうんだ、と感情を爆発させる。
昭男が上京して忠司の家に来た。家を守って母さんと同じ墓に入ると主張するが、それだと見捨てたみたいなので一緒に暮らしたいと言われる。妻の玲子も賛成しているものの、やはり無理かもしれないと言い出し、口論になる。
昭男は哲夫の様子も見に行った。哲夫は征子を紹介し、彼女が聾唖者であること、結婚することを伝える。征子が本当に嫁になってくれるのか、ゆっくりと確認する昭男。征子は頷いた。
その夜、寝付けずに征子を実家に呼ぶ話、孫ができたら預かる話をしながらいつになくはしゃぐ昭男。哲夫は寝てくれと言いながらも、上機嫌で歌を歌う父親を優しく見守るのだった。
昭男は一人で実家へ帰った。かつての家族の姿を誰もいない家で思い浮かべる。小さな火を燃やし、横になってまた歌を歌った。」以上か概略です。
2時間の映画ですが、あっという間に終わってしまいました。淡々と日常生活が無理なく展開されていきます。テーマは、親子です。年老いた親をだれが面倒見るのか。田舎から親が長男の様子を見に行きますが、長男の嫁がいい顔しない。小津安二郎の「東京物語」を思い出してしまいました。もう一つのテーマは、次男の哲夫の恋愛です。彼女が聾唖者ですが、父は、本当に嫁になってくれるのか、ゆっくりと確認するのです。優しい父にグッときました。
ラストシーンで、父は一人で実家へ帰り、かつての家族の姿を誰もいない家で思い浮かべます。映画には、出てきませんが、将来、次男と嫁が田舎に帰り父と楽しい家庭を築くと想像してしまいました。優しさにあふれるいい映画でした。
最後までご覧になりありがとうございます。
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