■書評 椎名誠『埠頭三角暗闇市場』 講談社2014/7/1 | 本中毒、映画中毒、仕事中毒、そして...恋愛中毒

■書評 椎名誠『埠頭三角暗闇市場』 講談社2014/7/1

埠頭三角暗闇市場/椎名 誠
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椎名誠のSF。
椎名誠の小説は、日本SF大賞を受賞した『アド・バード』以来読んでない。
帯の惹句にアドバードを越える傑作とあるので釣られて、出張先の書店で夜長を過ごすために購入。

結果として、『アドバード』の方が面白かった。

どちらも異生態系SFに分類されるSFなのだが、『アド・バード』が文明崩壊後の地球を舞台にした旅行記で、人間だけではなくその生態系までをウィットとユーモアと交え、淡々と突き放して描き出したのが印象的だった。
対してこの作品は、まだ文明が残っていて、中国とインドとロシアが権力闘争をしたりしている。
滅亡後の東京を舞台にその権力闘争を描くのだが、どうもそのハードボイルドな世界と、椎名誠のちょっととぼけたでも破天荒な世界が合わない。
いや、椎名誠にスパイ小説やアクション小説の様なハードボイルドを求めてはいないのだが、もっとすっとぼけていても良かったのではなかろうか…と思う。

アド・バード (集英社文庫)/椎名 誠
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