■書評 アンリ・イスラン『マルヌの会戦 第一次世界大戦の序曲1914年秋』 中央公論新社2014
- マルヌの会戦 - 第一次世界大戦の序曲 1914年秋/アンリ・イスラン

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第一次世界大戦の初期
フランスに侵攻したドイツ軍は連戦連勝。
怒濤の進撃で首都パリ近郊に肉迫する。
これをフランス軍が押し返し、大戦全体のターニングポイントになったのが、本書で扱っているマルヌの会戦。
これ以降、両軍は互いににらみ合って一進一退を続ける、泥沼の塹壕戦を続ける事になる。
僕らは太平洋戦争の事は結構知っているけれど、もう一つ前の世界大戦についてはあまり知らない。
抽象的な大ぐくりの知識として、セルビアの皇太子の暗殺に端を発し、ヨーロッパ全体を舞台として、飛行機/飛行船・戦車・潜水艦・毒ガスといった近代兵器が登場し、未曾有の戦死者が出した戦争。
それぐらいしか知らない。
具体的な戦局の推移、上述の新兵器はどんな役割を果たしたのか、そして戦中戦後に人々の生活をどう変えたのか…
そういう知識はかなり乏しい。
本書は、そうした戦局の推移を知る上での貴重な一冊。
と言いながら、本書はマルヌの会戦の事だけを記述しているので全体の鳥瞰的な知識が手に入る訳ではない。
現場に密着して、マルヌの会戦とはどんな戦闘だったか、どれほど混乱していたのかを肌感覚で味わう本と思えば良い。
著者がフランス人だから、フランス軍の記述を主としながら、ドイツ側の記述も詳しい。
ただ、ちょっと肌感覚を味わう本なので、余計な記述も多くて要点が呆けている様に感じてしまうのが、玉に疵。