■書評 乙川優三郎『脊梁山脈』 | 本中毒、映画中毒、仕事中毒、そして...恋愛中毒

■書評 乙川優三郎『脊梁山脈』

脊梁山脈/乙川 優三郎
¥1,785
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乙川優三郎の時代劇ではない作品。
たぶん初めての現代小説。
戦争で大陸から引き揚げてきた男のその後の15年間の物語。


復員列車で助けられた男を探して山を巡る内に、その男が生業としている木工に魅せられ彼ら木地師の調査/目録製作を軸に、戦後の復興やひたむきに生きる男や女を描く。
木地師の調査はいつの間にかその一族の源流を探って、大化の改新の真相や日本書紀の内容にまで考察が深まっていく…

力作なのだが、逆に主人公が、親戚の死によって気楽に暮らせる資産を得てしまい、復興の熱気の中で、傍観者的なのがちょっと興を削いでいる部分もある様な気がする。