Googleスプレッドシートのスクリプト(GAS)とAIを使ってプログラミングしたフリーの「簡易MAP作成ツール」を公開しました!

 

▼はじめに

 商品企画アイデアを考える際、誰でも知っているようなブランドでもないかぎり、競合他社品の比較・分析は必須であると考えます。さらに言えば、MAP(マップ)として、自社や競合他社品を価格や分類で整理して2次元マップに配置することで見えてくることもありますし、ただの一覧表より人に伝えやすい説得材料になることもあります。
 しかしながら、限られた時間の中で、自社や競合他社品の情報を整理し、なおかつMAP(マップ)化するのはかなり厳しいものがあります。以前所属していた企業では、商品企画者にアシスタントがいて、アシスタントの方がまとまった時間を使ってMAP化を行っていました。
 そのため、アシスタントがいない著者であっても、調査シートを作成すれば、簡易的でもMAP化ができるようなツールができないかと考え、本ページで紹介する「MAPシート作成ツール」を作成しました。こちらは、Claud AI(https://claude.ai/)に質問しながら、Googleスプレッドシート上にてスクリプトを作成しました。

 

※MAPツールには、「sitateru CLOUD(シタテル)」(https://sitateru.com/features)のような、自社の開発商品について、企画から販売段階までを一気通貫で整理できるツールが既に存在しますが、競合他社との比較という目的では無さそうです。

 

▼簡易MAP作成ツールの紹介

 簡易MAP作成ツールは、元になる商品情報をまとめた「調査シート」を準備して、「設定」シートの値を設定しつつ、いくつかのステップを踏むことで、「MAPシート」上に2次元的に商品情報を配置できるツールです。

 具体的には、下記4つのステップがあります。
(1)作業シートの準備
 元になるデータ「調査シート」と配置先である「MAPシート」の設定、準備を行います。
(2)ドロップダウンリストの作成
 MAPシートに配置する縦軸・横軸、および配置要素のソートに使用する項目を準備、選択します。

(3)項目リストとソートの準備
 2.で選択したソート項目に合わせて、配置する関数を設定する準備をします。

(4)MAPを作成する
 設定・準備した項目に合わせて、MAPシートに要素を配置していきます。

 

 

▼簡易MAP作成ツールの公開情報

 

Googleスプレッドシート「簡易MAP作成ツール」URL
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1hYHR8S1xLT_MsrsOYjo4lEtQpOpNpsKSBZa8CwOizsQ/edit?gid=1671838401#gid=1671838401

 

 具体的な使いかたにつきましては、共有しているスプレッドシート内「使いかた」シートに記載しています。共有シートは「閲覧のみ」になっていますので、ご自身のGoogleドライブにコピーの後、拡張機能(スクリプト)の有効化をしてからお試しください。(導入につきましても、「使いかた」シートに記載しています。)

 また、Youtubeに使いかたを説明する動画をアップしておりますので、そちらもご参考ください。

▼説明動画
(1)導入編
https://youtube.com/live/nWmhcpZhaeI
共有しているスプレッドシートの拡張機能(スクリプト)有効化する方法を説明しています。

 

 


(2)実践編
https://youtube.com/live/c0sHlthTIcg
調査シートの説明、実際の簡易MAP作成事例をいくつか紹介しています。

 

 


(3)注意事項編
https://youtube.com/live/01kH1C2D808
操作方法について、特に注意して欲しい点について触れています。

 

 



・拡張機能(スクリプト)の有効化には、「認証」のプロセスが必要になります。不安がおありの方は、ご使用にならないでください。
・共有させていただいたスプレッドシート、ツールによって生じたデータのトラブルには一切対応できません。お試しになる際は、必ず元データのバックアップをご準備ください。
・Googleスプレッドシートの内容やスクリプトにつきましては、予告なく更新することがございますことを、あらかじめご承知おきください。

 

 

▼事例紹介

MAP作成ツールを使用した事例をいくつかご紹介します。

 

▶事例1 価格帯で並べる

「調査シート_例-バッグインバッグ」には、参考データとして、某日における楽天市場のバッグインバッグのランキングを元にデータを作成させていただいております。

図1は「調査シート_例-バッグインバッグ」をもとに縦軸を一定の通常販売価格(以下、価格)ごとに区切って、該当する商品の情報を並べています。商品情報の並べかたも、①ブランド名順、②価格順で並べ替えられた状態で並べられています。

 このようにMAP化することで、どの価格帯の商品が多いか、価格帯によるブランドの偏りなどを確認することができます。

 

図1

 

▶事例2 カテゴリーごとに価格帯で並べる

図2は「調査シート_例-バッグインバッグ」をもとに、縦軸に「価格帯」、横軸に「商品カテゴリー」を設定して商品情報をMAP化しています。

こうすることで、商品カテゴリーによる、価格帯の違いだったり、商品カテゴリーの代わりに「自社商品」「競合商品」と設定することで、自社商品と競合商品の価格帯の差異をMAP化してビジュアル的に確認することなどができます。

※ただし、横軸要素の昇順/降順での並べ替えがうまくいかないことがありますので、その場合は、お手数ですが、MAP化の後、手動にてお好みのレイアウトに修正をお願いします。

図2

 

▶事例3 カテゴリーごと、発売時期ごとにMAP化する

図3では「調査シート_例-バッグインバッグ」をもとに、縦軸に「シリーズ名」、横軸に「発売時期」を設定して商品情報をMAP化しています。

※発売時期は、事例作成のために、ランダムに設定させていただいており、実際とは異なりますことをご承知おきください。

こうすることで、発売時期とシリーズ展開をMAP化することができます。また、カテゴリーx自社/競合とすることで、自社と競合の商品展開の差異をMAP化するといったことも考えられます。

※ただし、事例2同様、縦軸/横軸要素の昇順/降順での並べ替えがうまくいかないことがありますので、その場合は、お手数ですが、MAP化の後、手動にてお好みのレイアウトに修正をお願いします。

図3