​【車内での出来事】
ーー優しいお友達ーー

入園したばかりの頃
夏休み直前ぐらいまで
朝の乗車時に
ほぼ毎日泣いている男の子
Nクンがいました
私にお話しするのも
一生懸命です

Nクンは同じバス停から
同級生のYクンと
一緒に並んで座っていました
座席は先生が決めた
指定席です

秋ぐらいなると
Nクンは
すっかり泣きやんで
朝は乗らず、帰りだけ乗車するように
なりました

Nクンの指定席は窓側で
Yクンは通路側でした

暫くの間、朝の乗車は
その列はYクンだけになったので
窓側にも座ったりしていました

いつも窓から移りゆく景色や
車を見るのが大好きで
とても楽しそうでした

そういう事が数週間続いた時
朝乗らなくなっていた
Nクンが久々に
朝、乗車してきたのでした

するとすると…
今まで窓側の席も占有していた
Yクンが
窓側が良いと怒り出しました💢

次のバス停の時間もあるため
Nクンに
席を代わってもらっても良いかを
聞いたら
あっさり『イイよ😊』と快諾

今回だけだよ♪と、Yクンに語って
指切りゲンマンをしました
………
そして
ーー無事幼稚園到着ーー

帰りのバスの時間になりました

そしたら
朝の約束を忘れたYクン
窓側に座って
歯を食いしばり
私の言う事を受け入れてくれません

いろいろ
Yクンの身にもなって
どうにかこうにか
説得し言い聞かせ(汗)
当初の座席・通路側に座ってくれました

そして、偉いねー流石だねー
ヒトミンの話しを聴いてくれて
ありがとうと語ると
Yクンは
ポロポロ涙をこぼし始めました

バスを出発させないといけないので
例のごとく
乗車名簿を片手に名前を呼びはじめ
全員が揃い、
「運転手さん全員揃いましたので
お願いします!」

バスが走り出しました

園内を出て大通りに出ると

Nクンは下を向いて
頭を下げているのです

私:「Nクン、どうしたの?
気持ちが悪いの?」

Nクン:「気持ち悪くないよ
こうしているとYクンが
お外を見れるでしょ?
だから僕、こうしてるの…」

なんという事でしょう🥹

そうです
Nくんは、Yクンが
外を観るのが好きなのを知っていて
自分の頭を下げて
隣りの通路側に居るYクンに
気遣いをして
お外の景色を見せてあげていたのです

私は、なんて優しい子なんだろうと
感動の瞬間でした

そしてYクンが
キチンと、Nクンに
ありがとうが言えて
本当に心が温まりました✨

ーーおしまいーー

このお話しは実話であり
フィクションではありません

翌日
担任の先生に事後報告
NクンYクンの保護者さんには
後日
それぞれ1人の時に
お伝えてしています
保護者さんも嬉しそうでした✨