第六頁 「鍵をかう

第五頁では、神坂に伝わる昔話を
少し覗いてみました。

今夜はまた、岐阜の「ことば」の棚へ
戻ってみようと思います。

今回の一冊は──

「鍵をかう」

「鍵をかう」と聞いて、

鍵を買う?」

と思った方もいるかもしれません。

でも、岐阜で言う「鍵をかう」は、

鍵を掛けること。

「ちゃんと鍵かった?」

「鍵かっといてね」

こんなふうに使います。

私自身、子どもの頃からごく普通に
使っていた言葉でした。

だから、これも岐阜弁だと知った時は、

「えっ、これも方言なんや?」

となったものの、
やっぱりどこか不思議な感じ。

だって、私にとっては「鍵をかう」は、
ずっと「鍵を掛ける」という意味だったから。

言葉って面白いですよね。

同じ日本語なのに、住んでいる場所が変わると、
少しずつ言い方が変わる。

そして、自分にとっての「普通」が、
誰かにとっては「初めて聞く言葉」になる。

けった」もそうでした。

机をつる」もそうでした。

子どもの頃は、周りの大人も子どもも
当たり前のように使っていた言葉。

だから、それが方言だなんて
考えたこともありませんでした。

でも、大人になって誰かに

「え? なにそれ?」

と言われて初めて、

「……あれ? これって岐阜だけなんや?」

と気づく。

そんな小さな発見が、
今ではちょっと楽しくなっています。

まだ私の知らない岐阜弁も、
きっとたくさんあるはず。

これからも一つずつ、
私自身も楽しみながら拾っていきたいと思います。

📚 館主のひとこと

「鍵をかう」も、ずっと普通に使っとった言葉。

方言やと知ると、なんだか急に愛着が湧くんよね。

岐阜の言葉って、まだまだ奥が深そうです。

📖 本日の一冊は、ここまで。

また次の頁で、お会いしましょう。

📚 本日の栞

当たり前だった言葉ほど、故郷の記憶をそっと隠している。