バカラック/コステロの「ペインテッド・フロム・メモリー」のビル・フリゼールによるスピン・オフ作。

バカラックとコステロのコラボ作品は圧倒的な評価を受けて名作と呼ばれるに相応しいものだったが、如何せんコステロが不得手な私には向かないアルバムだった。昔からコステロのクドさがどうも苦手。1曲くらいだったらそうでもないがアルバム1枚になるとトゥー・マッチ過ぎる。ゆえに先の名作も私的には愛聴するに足り得なかった。

一方、ビル・フリゼールの方はというと一般的評判あまり芳しくなかったがコステロのヴォーカルが僅かことと、あとカサンドラ・ウィルソンの唄で聴けるところは私には願ったり叶ったり。フリゼールのギターの押しつけがましさのないところも好きなところ。聴き手によっては物足りなさを感じるかもだがそれは好みというもの。基本インストゥルメンタルで主役は各楽器だが各プレーヤーの丁重さ(特にドン・バイロンのクラは素晴らしい)

が伝わるアレンジ。派手なアレンジでなく落ち着いたところが永年聴けるところでもある。音が素晴らしいところもこのアルバムの更なる価値を上げている。