先日、ピーター・バラカン氏の某ラジオ番組でダブの特集をやっていて楽しく聴かせてもらった。
ダブが纏まって流れる番組とか日本ではほとんどないんじゃないかと思う。
特集の方はキング・タビーを中心にしたものだったので、このハーマン・チン・ロイの歴史的なダブ・アルバムに触れられることはなかったがこれもダブ・アルバムの中で最初期に上げられるレコード。ハーマン・チン・ロイは名前から想像がつくようにチャイニーズ系の人。レゲエに詳しい人には今更だが、ジャマイカの音楽業界には華僑が少なくない。オーガスタス・パブロなども一部にはアジア系の血が流れているとの噂もあった。そのオーガスタス・パブロだが元々の名付けはハーマン・チン・ロイ。このオーガスタス・パブロというのはいわばパブリック・ドメイン。ある特定の人の名前ではなくチン・ロイがスタジオで器用してた鍵盤奏者につけていた名前。ホレス・スワビィ(オーガスタス・パブロの本名)もその中のひとりだった。このチン・ロイのダブ・アルバムにも鍵盤でオーガスタス・パブロ(ホレス・スワビィ)が参加している。
このアルバムだがダブの最初期ということもあって通常イメージするダブとはだいぶ違う。ダブというと深いリバーブとイコライジングというのが一般的だと思うが、リバーブ類を使わずフェーダーの上げ下げだけでダブ効果を生み出している。
ダブ黎明期ゆえの手法。もちろんドラム&ベースは強調されていてダブの原形として体を成している。手持ちはリイシューだがオリジナルは大変高価なもの。

 

ベースラインはドニー・ハサウェイの"Ghetto"

 

 

 

この曲はヴォーカル入りでキャロル・キングのカバーをやっている

 

 

オーガスタス・パブロの”Cassava Piece”プロト版

 

じゃあ、そのパブロ版