ベツレヘムは好きなレーベルのひとつ。あまり野心的なものはやらない保守派のレーベル。

ジャズは野心的でないといけないとかこれっぽちも思ってないので、ストーリーヴィルやベツレヘムはジャズの良心のレーベルだと思っている。ジャズ・ジャイアンツが希代の名盤を残して後々ガイドブックに載るようなレーベルではないが、それでも好きな盤は少なくない。チャーリー・マリアーノの出世作として名高きこのワンホーン・リーダーもベツレヘムの中では比較的早くに手にしたものだった。マリアーノにはインペリアルやプレスレティッジの初期の吹込みも人気が高いがマリアーノといえばまずはこれか。ジョン・ウィリアムスというピアノの隠れ名手が参加というのも嬉しい。エマーシーへの数少ないトリオでのリーダーなども好きな盤の1枚。ベースは同じベツレヘムに大好きなカール・フォンタナが参加したリーダーを持つマックス・ベネット。後年はLAエクスプレスの1員としてジョニ・ミッチェルのアルバムでベース(エッベー)を弾いていた。ドラムは艶消しシンバルで耳馴染みのいいメル・ルイス。インペリアルやプレスレティッジでの触れれば崩れそうな繊細なマリアーノではもう既にないが、ベツレヘムのマリアーノには華がある。そういえばマリアーノは70年代にドイツのプログレ、エンブリオのアルバム(We Keep On)に客演で吹いていたなんてものもあった。意外と野心家だったのか。