Who's Making Love以前のStax期のコンピレーション「Little Bluebird」。
ジョニー・テイラーと云えば隙間商法というか、誰かやってそうでやってないとこをカヴァーしていたシンガーだったような気もします。まぁ、サム・クックのフォロワーだということは疑いの余地もないんですが、サムのブルーズ・フィーリングとも違いますし、オーティスとはもっと遠いようにも思います。ブルーズン・ソウルというとリトル・ミルトンになってしまいますが、ジョニー・テイラーもこのコンピでセレクトされてる頃まではかなりブルーズよりのソウル・シンガーだったという再確認も出来るワケです。更にブルーズ寄りになると「Raw Blues」といったところもありますが、このコンピはバランスの取れたコンピではないでしょうか。エッジの効いたヴォーカルというよりはスモーキーさの漂うジョニー・テイラーの灰汁といったもんが堪らんですな。バンドの方も今聴くと意外とモコモコしてて、それが返ってよりブルージィだったりして。"Little Bluebird"のホーンのヨレ具合なども良い感じですね。"Toe Hold"の徹底した後ノリなんて、この人の真骨頂って感じします。他の曲の方もお馴染みの曲ばかりで今更説明不要ですが、個人的には昔から"Somebody's Sleeping In My Bed"が好きでして、この曲はRCサクセションが日本語でカヴァーしてた記憶があります。こういう微妙な立ち居地のブルーズというは中々受け入れ難さもあるとは思いますが、だからこそカッコイイと思うわけです。粘りつきそうでつかない一歩手前が一番美味い・・・なんてことがジョニー・テイラーを聴いていてアタマを過ぎります。

Johnnie Taylor / Little Bluebird (Stax)

1. Little Blurbird
2. Toe Hold
3. I've Got To Love Somebody's Baby
4. Just The One (I've Been Looking For)
5. Outside Love
6. You Can't Get Away From It
7. I Had A Dream
8. Somebody's Sleeping In My Bed
9. I Ain't Particular
10.Steal Away (live)
11.Stop Doggig Me (live)
12.Jody's Got Your Girl and Gone (live